「現金ゼロのフルインベストメント」は危険だ! 投資歴20年超のベテラン投資助言者が注目する「インフレ下の乗り方」

これまでの「教科書が通じない」荒れ相場で、投資家が最優先すべきは相場から退場せずに「生き残ること」だと話す、投資歴20年超、投資助言者として日々投資家にアドバイスを届ける投資助言者【馬】さん。
激しいボラティリティを逆手にとり、「ノックアウト・オプション」(IG証券)を活用して利益を狙う短期トレードの極意を語っていただきました。インタビュー連載全2回の第1回。
目次
資産を守るために必要なこと
ーーまずは、資産を守り抜く方法をお尋ねします。損切りとポジションサイズの基準はどのように設定されていますか。
私のルールは非常にシンプルです。「1回のトレードで総資産の2%以上のリスクは絶対に取らない」。結局、これに尽きます。どれだけ相場観に自信があっても、このルールだけは崩しません。損切りというのは、エントリーしてから考えるものではなく、エントリーする前に必ず決めておくものです。私の中では「逆指値を置いてからポジションを建てる」のが大原則で、もっと言えば、自分が納得できる逆指値を置けない局面では、そもそもトレードを見送ります。
これは有名な「バルサラの破産確率(資金管理の甘さによって、最終的に資金を失って退場する確率を示す考え方)」の考え方にも通じています。勝率50%前後の一般的なトレーダーが、この厳しい世界で生き残るために本当に大事なのは、予想を当て続けることではなく、リスクリワードと1回あたりのリスク率を徹底管理することです。
特に今年のように地政学リスクが強く、ボラティリティが異常に高い局面では、普段の半分以下までポジションサイズを落とすこともあります。利益を追いかけるより先に、まずは相場から退場しないこと。生き残ることがすべての前提です。
“馬流”のパーフェクトオーダー
ーー「ここは勝負すべき」と判断するタイミングにはどのような共通点があるのでしょうか。
私の場合、それは複数の材料が綺麗に揃った時だけです。具体的には、オーダーブックの需給、チャートのテクニカル、そして市場参加者のセンチメント。この3つが同じ方向を指し、いわゆる「パーフェクトオーダー」の状態になった時に限って勝負します。「なんとなく上がりそう」、「雰囲気的にいけそう」、そういう曖昧な理由で入ることはありません。
自分のルールに完全に合致した時だけ、淡々とエントリーする。それが長く生き残るためのやり方だと思っています。