豊かな人生を送るために知るべき、お金の「絶対的な価値」とは……悪いエネルギーを良いエネルギーに転換できる思考法

歯科医師で作家の井上裕之氏は、「お金には『相対的な価値』と『絶対的な価値』がある」と話す。浪費や後悔をなくすことにもつながる「自分にとっての絶対的な価値」の考え方を、井上氏が解説する。全3回中の2回目。
※本稿は井上裕之『なぜかいつも上手くいく人のお金の使い方』(あさ出版)から抜粋、再構成したものです。
第1回:幸福度のピークは「年収1125万円」幸せなお金持ちと不幸せなお金持ちの違いとは
第3回:「会社が給料を上げてくれない」と不満を抱いたらすべき“上司への質問”……転職を考えるのはそれからでいい
目次
お金の価値は2種類ある
豊かな人生を送りたいのなら、「貯める」と「使う」のバランスを考えて、お金を正しく使うことが大切です。お金の価値には、「相対的な価値」と「絶対的な価値」があります。
①相対的な価値
金額が上がるほど、価値も上がる。個人の価値観は反映されない。
②絶対的な価値
金額の高低にかかわらず、「その人の気持ち」によって価値が変わる。
その上で、私は「その出費に対して、どのくらいの絶対的な価値を見出せるのか」で、お金を使うか、使わないかを判断しています。「絶対的な価値」をもう一歩踏み込んで言うならば、「その人にとっての価値」「個人の価値」です。
もっとわかりやすく説明しましょう。
リンゴAが100円、リンゴBが200円で売られていたとき、相対的な価値は、リンゴBのほうが高くなります。
ですが、リンゴAが、「お世話になった人が収穫したリンゴ」であったり、「大切な人からいただいたリンゴ」「どうしても一度は食べたかったリンゴ」だとしたら、リンゴAは、その人にとって、リンゴB以上(200円以上)の価値を持ちます。
自分の「絶対的な価値」を大事にしよう
お金を使う上で大切なのは、「絶対的な価値」を意識することです。金額が高いか安いかだけで判断せず、「自分にとって、どんな価値があるのか」を考えることが重要です。
たとえば、私が移動手段にタクシーを使うのも、東京滞在中にホテル暮らしをしているのも、美容院に月2回行くのも、パーソナルジムでトレーニングを積むのも、私にとって「絶対的な価値がある」からです。
「できるだけお金を使わない」という判断基準で行動を制限するのであれば、1年の半分近くを東京で過ごしているため、「マンションを買ったほうが安いのではないか」と言われることがあります。
たしかに「金額」だけを考えたら、購入したほうがお金はかかりません。それでも私がホテル暮らしを続けているのは、支払う金額以上に、「立地が良く、どこに行くにも移動しやすい」「掃除・家事の手間がかからない」「ホテル内の施設が使える」といったメリットを感じているからです。
その他、美容院に月2回行くのは、セミナー講師としての印象や身だしなみを常に整えておくため。パーソナルジムに通うのは、プロの指導を受けたほうがトレーニング効果は高いと考えているためです。
一方で、「井上先生は成功してお金があるから、タクシー移動も、ホテル生活もできるのですよね。普通の人は、やりたくてもできない」と言われることがあります。
私がこうした生活ができるのは、「お金があったから」ではありません。「そのことに価値を感じ、そのことにお金を使えるように、仕事で結果を出している」「仕事で結果を出すために、自己投資をしている」からです。
自分の理想の生活ができるように、お金を稼ぎ、使う。それが私のお金の使い方です。
私がハイブランドの服を着る理由
私たちの人生で大切なのは、プライベートや仕事を充実させることであって、節約が最上位にくるわけではありません。
私は「身だしなみ」や「ファッション」に「絶対的な価値」を感じています。ファッションにお金をかけるのは、見栄を張りたいからではありません。ファッションに「自己成長」と「社会貢献」の価値を見出しているからです。
私にとってファッションは、セルフイメージを高めてくれるアイテムです。フランスの革命家、ナポレオン・ボナパルトが、「人はその制服通りの人間になる」と言ったように、人は、服装に適した気持ち、態度、行動を取る傾向があります。
ハートフォードシャー大学(イギリス)のカレン・パイン教授は、服装がおよぼす心理的影響をまとめた著書(『Mind What You Wear』)の中で、「服装が自信につながる」と結論づけています。
彼女の研究では、学生たちにスーパーヒーローがプリントされたTシャツを着てもらった結果、「自信がついた」「強くなった気がする」という回答が多かったのです。
セミナーや講演会で人前に立つとき、私が洋服にハイブランドを選ぶのは、
「いい未来をイメージできるから」
「背筋が伸びるような気持ちの変化を感じられるから」
「服に着られるのではなく、『着こなせる自分になろう!』『このブランドにふさわしい自分になろう!』という意欲がわくから」
です。
服装は、気分や考え方に大きな変化を与えます。
「自分の経験を発信する」ことは、社会貢献のひとつだと私は考えています。
たとえば、目の前に「100万円」のジャケットがあったとします。このジャケットに、「希少性の高い生地を使っている」「世界に一着しかない」「歴史的な成功者が着用していたヴィンテージである」といった特別なストーリーがある場合、私はお金を払います。
「100万円のジャケット」を買うのは、自分の所有欲を満たすためでも、社会的ステータスをアピールするためでもありません。
このジャケットを着て登壇すれば、ジャケットのストーリーとともに、
「一流に触れる大切さ」
「本物を知る楽しさ」
を伝えることができます。
そして私の話を聞き、聴講者の世界観が広がったとしたら、私は「聴講者に貢献した」ことになります。
重要なのはそのお金で「何を得たか」
今の私には、買い物の失敗はありません。「買わなければよかった」と後悔することもありません。なぜなら、すべてに価値を見出しているからです。
以前、海外の通販サイトで洋服を購入したときのことです。試着ができなかったため、サイズが合っていませんでした。普通なら「失敗した」「ムダになった」と思うところです。
ですが私は、こう考えました。
「そうか。通販サイトを利用するときは、サイズに気をつけなければいけないのか。通販で買い物をするときは、着丈、肩幅、身幅、袖丈の4つのサイズを測っておくと失敗しないらしい。勉強になった」
とポジティブに解釈したのです。
つまり、「失敗した」「ムダになった」という悪いエネルギーを引きずらないで、「学び」という良いエネルギーに変換したわけです。
お金は、意味を見出すことで「資産」に変わります。使う以上は価値を見出す。お金を使ったことで「何を得たか」を考える。
衝動買いのあとに後悔しそうになったら、「自分にとってのプラス」に目を向ける。意味を見出せないお金は、ただの「浪費」です。
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