「AI・半導体はいったん利食いせよ」・・・資産10億円投資家が年末に仕込みたい“次の主役”
本稿で紹介している個別銘柄:昭和産業(2004)、ニップン(2001)、日清製粉グループ本社(2002)、フランスベッドホールディングス(7840)、河合楽器製作所(7952)、ナカバヤシ(7987)、グローブライド(7990)、東和薬品(4553)、サワイグループホールディングス(4887)、三菱HCキャピタル(8593)、オリックス(8591)、オリエントコーポレーション(8585)
「AIや半導体は、保有している人なら、いったん利食いを考えてもよいと思います」
株式投資歴30年以上、10億円超の資産を築いた個人投資家・株億太郎氏は、相場の主役についてこう話す。
ここ数年、日本株を牽引してきたのはAI・半導体関連株にほかならない。成長への期待はいまも根強く、保有を続ける投資家も多いはずだ。一方で、年末に向けて相場の流れが変わる可能性もある。
そこで今回は、AI・半導体株をどのように見るべきか、次に資金が向かう可能性のある業種はどこなのか。年末から来年にかけての日本株の見通しについて、株億太郎氏に話を伺った。インタビュー連載全3回の最終回。
AI株を「いま利食いする」意外な理由
ーーAI・半導体の成長はまだ続きそうです。いま利食いするのは早くありませんか。
持っていないからそう言うわけではありませんが、米国を中心に、冷静に見ても少し過熱していると感じています。
日本株は、米国のAI・半導体株が上がれば、それに連動して上昇する構図です。その米国は中間選挙を控え、方針が定まっていません。米国市場が揺れれば、日本市場も方向感を失いやすくなります。
そのため、10〜11月、第3四半期あたりには株価が下落する可能性があると見ています。
ーーそれなら、日経平均そのものも年末にかけて弱くなりませんか。
年内に一度は年初来高値を更新すると思います。国内も米国も金利は上昇しており、株式市場にとってマイナスなのは確かです。
ただ、市場へ流入している資金は大きい。流出する資金より流入する資金のほうが多ければ、金利上昇の影響を受けながらも、株価が上昇する可能性はあります。来年に向けて、相場を押し上げる動きも出てくるでしょう。
ーー高値を付けた後には、どのようなリスクがありますか。
注意しているのは、地政学リスクやテロ、財政の脆弱性が表面化する場面です。
市場の内部だけを見ればプラス材料がそろっていたとしても、外部要因によって相場が大きく動く可能性はあります。高値を付けた後ほど、そうしたリスクには注意する必要があります。
次の主役は、ピアノ、ベッド、釣り具
ーーAI・半導体から離れた資金は、どこへ向かうと見ていますか。
AIと半導体を外して考えると、資源、エネルギー、食料の3つが基軸になります。
ただ、食品株はすでにかなり上昇しました。昭和産業(2004)、ニップン(2001)、日清製粉グループ本社(2002)あたりは、3〜4割ほど上昇したと思います。私自身、すでに株価が上がっているため、十分には買い増せていません。
ーー生活必需品であれば、まだ買いやすいのではありませんか。
インフレ下では、生活必需品を扱う企業の強さが見直されるのは自然な流れです。
ただ、人気が集まれば、それまで割安だった株も割安ではなくなります。そこで私が次に見ているのが、単品に近い事業で強みを持つニッチ企業です。
ーー大型株のほうが安心感はあります。あえて小さな会社を探すのですか。
業種でいえば、「その他製品」に分類されるような、単品専業に近い会社です。
フランスベッドホールディングス(7840)はベッド、河合楽器製作所(7952)はピアノ、ナカバヤシ(7987)はアルバムを手がけています。グローブライド(7990)は旧ダイワ精工で、世界的に釣り具を展開している会社です。
こうした企業のなかには、事業の強さと比較して、株価がまだ割安だと感じる会社があります。ただし、ニッチ企業は市場規模が小さいため、多くの投資家が一斉に買いに向かえば、短期間で株価が上昇してしまいます。その点には注意しましょう。