「AI・防衛はもう織り込み済み・・・」資産10億円投資家がサナエノミクスで狙う“地味株”
本稿で紹介している個別銘柄:三菱重工業(7011)、川崎重工業(7012)、IHI(7013)、大成建設(1801)、清水建設(1803)、鹿島(1812)、大林組(1802)、日本道路(1884)、東亜道路工業(1882)、栗本鐵工所(5602)、日本コンクリート工業(5269)、愛知時計電機(7723)、MrMax Holdings(8203)、日本農薬(4997)、クミアイ化学工業(4996)、井関農機(6310)
「サナエノミクスは、いまから乗っても全然遅くないと思います」
AI・半導体、防衛ーー高市政権の発足後、「高市銘柄」と呼ばれるテーマにはいち早く資金が流れた。すでに大きく値を上げた銘柄も多く、「いまさら入るのは遅い」と感じる投資家もいるだろう。
しかし、株式投資歴30年以上、10億円超の資産を築いた個人投資家・株億太郎氏の見解は違う。狙うべきは、すでに脚光を浴びた大型株ではなく、これから政策マネーが落ちていく“その先”だという。
では、サナエノミクス相場の次の主役はどこにいるのか。株億太郎氏に伺った。
みんかぶプレミアム特集「サナエノミクスの勝ち方」第7回。
サナエノミクスは「ムードメーカー」だった
ーー政権発足から時間がたちました。いまから乗っても遅くありませんか。
まったく遅くないと思います。サナエノミクスは、中身を見ればアベノミクスの焼き直しに近い。公共事業を通じて市場にお金をまいていく政策です。
予算は一度に執行されず、少しずつ使われていきます。実際、「サナエノミクスで株価が上がった」「下がった」といった話はあまり耳にしません。相場への影響は、時間をかけてじわじわ広がっていくのではないでしょうか。
私はサナエノミクスを「ムードメーカー」と捉えています。特定の銘柄を直接押し上げるというより、市場全体の雰囲気をつくる存在。そのなかで、防衛や資源、公共投資の関連企業へお金が回っていくイメージですね。
ーーならば、知名度の高い政策関連株を買うのが近道では?
大型株は、すでにかなり織り込まれていると見ています。AIや半導体はもちろん、防衛関連の三菱重工業(7011)や川崎重工業(7012)、IHI(7013)も、個人投資家の間ですっかり有名になりました。もう一段上がる可能性はあっても、政策の恩恵を先回りして拾える銘柄ではないでしょう。
狙うなら小型株です。具体策が固まるにつれ、お金の行き先はもっと細かく分かれていくはずですから。
ゼネコンは織り込み済み。次に動くのは
ーー積極財政なら、ゼネコンが本命ではありませんか。
大成建設(1801)、清水建設(1803)、鹿島(1812)、大林組(1802)は、取材の日もそろって上がっていました。インフラ投資への期待は、もう株価に入っていると思います。
手つかずなのは、その先。ガス、水道、電気、電話、道路、橋梁、鉄道、空港。高度経済成長期に整備したインフラが40〜50年を経て、一斉に作り直しの時期を迎えています。
道路なら日本道路(1884)や東亜道路工業(1882)。これまで舗装会社の仕事は、砂利道を舗装することが中心でした。これからは、一度舗装した道路を掘り返して作り直す工事が増えていきます。東亜道路工業は財務も配当も良好です。
水道管の破裂もあちこちで起きていますよね。こちらは栗本鐵工所(5602)。コンクリート柱なら日本コンクリート工業(5269)でしょう。
都心では電線の地中化が進んでいますが、地方の山間部ではいまもコンクリートの電柱が欠かせません。同社は大手電力会社向けをほとんど押さえていて、配当も中身も悪くない。
ーーいずれも、ニュースをにぎわせるような銘柄ではない印象があります。
そうですね。ただ、地方へお金が流れるならそこが本命になると考えています。
「○○大橋を架ける」となれば国の事業ですが、「古くなった橋を架け替えてほしい」となれば地方の仕事です。国だけで全国の道路や橋を直しきれるはずもなく、予算は地方に配られ、細かな工事に分かれていくでしょう。
もう一歩先まで見るなら、愛知時計電機(7723)も面白い。ガスや水道のメーターの大手で、スマートメーターを使えば検針員が回らなくても使用状況がわかります。
水道やガスが使われていないことを検知し、自治体と組んで高齢者の見守りに生かす取り組みにも広がる余地がある。不良品の影響で業績を下方修正したものの、通期では増配を予定しています。