デイトレで資産1億円突破。それでも「ロットを倍にしない」理由と、大金を得た後に崩れる人の共通点

会社員として9年働いたのち、2024年4月に資金500万円で専業デイトレーダーとなったシンク氏。2026年夏、ついに資産1億円の大台に乗せた。ただ、どれだけ稼いでも、一度の大きな失敗で資金を失えば相場から退場するしかない。そんな彼が、相場で長く戦い続けるために守っている資金管理のルールを聞いた。全3回の最終回。
みんかぶプレミアム連載「デイトレード 最短で億り人を目指す!」
平常時1000万円、勝負の日は1億円。金額を考えずに入る理由
500万円から始めて、およそ2年半で1億円。資産が増えるのに合わせて、1回の取引に投じる金額、いわゆるロットも大きくしてきた。今は相場の状況に応じて、大きく3段階に使い分けている。
「平常時は1000万〜2000万円、チャンスのときは5000万円ほど、本当に大きなチャンスのときだけ1億円くらいです。暴落の日のように値段が大きくゆがむ日にはドンと入れて、その日に負けるのは仕方ないと割り切っています」
取材当日も、日経平均が大きく下げる荒れた相場だった。シンク氏はこの日、88万円の利益を上げている。
「本当は値幅を取れれば理想的でしたが、この日はロットを大きくして取った形です。相場が大きく動いている日は、まだ攻められる余地があると考えているので」
ロットを決めるとき、損益の金額は考えないという。
「入る前に、これくらい儲かる、これくらい損をする、とは考えないようにしています。この幅で落ちたら500万円の負けだと考え始めると、怖くなってしまうので。判断するのは、この値段は高すぎるか、安すぎるかだけです。最初は1000万円で入って、このパターンならもっと行けると思えば3000万円、4000万円と増やす。危ないと感じたら減らします」
第2回で紹介した取引でも、ディスコの1億2000万円やキオクシアの1億円は、この「本当に大きなチャンス」の枠にあたる。資産1億円に対して、平常時のロットは1〜2割。勝負の日だけ、資産と同じ規模まで張る計算だ。金額を比率に置き換えれば、資金が少ない段階でも同じ考え方が使える。
信用取引の「3倍」をあえて使い切らない
信用取引では、証券会社に預けた担保のおよそ3倍まで売買できる。資産が1億円なら、理屈の上では3億円分の取引も可能だ。3億円分を動かしていれば、株価が1%逆行しただけで300万円、3%なら900万円の損失になる。シンク氏は、そこまで使い切っていない。
「信用取引で使える余力が1億円を超えたあたりから、ロットはそれほど上げられなくなりました。1000万円、2000万円と増やすことはできても、3000万円を9000万円にするような、余力の3倍をフルに使う取引は、自分にはできなかったんです。寄り付きの瞬間は注文が多いので、大型株なら10億円規模でも吸収できると思います。入ること自体はできるんですが、利益確定や損切りで出るときに、板を滑ってしまう」
注文が大きすぎると、狙った値段では売買しきれず、不利な値段まで食い込んで取引が成立してしまう。損切りの場面でそうなれば、その分だけ損失が膨らむ。
「技術的には、まだロットを上げられると思います。でも、何でもない普通の日に1日1000万円も損益が動くようになると、さすがに気持ちが持ちません。今の水準で落ち着いている感じです」