iDeCo(イデコ)の始め方ガイド!会社員や公務員でもスムーズに加入する方法を解説

みんかぶ編集室
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iDeCo(イデコ)を始めるにはどうしたらいいの?必要手順をわかりやすく解説

iDeCo(イデコ)ってどうやって始めるの?」「なんか難しそうだし、面倒くさい」など、 iDeCoの存在は知っていても、なかなか重い腰が上がらない人は多いのではないでしょうか。

とはいえ、 iDeCoを始めなかったせいで「老後資金が足りなくなってしまった」という後悔はしたくないはず。

そこで、この記事では「iDeCoの始め方」について、つまづきやすいポイントを抑えながらわかりやすく解説します。

iDeCoの概要、始め方を理解して、老後の不安解消をしていきましょう!

【この記事でわかること】

  • iDeCoの加入資格
  • iDeCoを始めるまでの流れ
  • 運用商品の決め方
  • iDeCoを始める前に知っておくべき注意点

目次

iDeCoの始め方は5ステップで完結する!

iDeCo(個人型確定拠出年金)の始め方は以下の順番で行うのがおすすめ。

  1. 加入資格があるか確認する
  2. 毎月の掛金(拠出金額)を決める
  3. iDeCoに加入する金融機関を決める
  4. iDeCoで運用する商品を決める
  5. iDeCoで積み立てた資産の受け取り方法を考えておく

ステップ3と4はどちらから始めても問題ありませんが、金融機関をあらかじめ決めてから商品選びをしたほうがスムーズに進められます。

それでは、各ステップで「何をする必要があるのか・必要書類や注意点は何か」を確認していきましょう。

iDeCoの加入資格があるか確認する

iDeCoには「加入資格」が決められています。iDeCoを始める前に「自分に加入資格があるかどうかチェック」しましょう。

また、加入区分ごとに「拠出限度額(毎月いくらまで積立られるか)」も決められているため、合わせて確認しておくことをおすすめします。

iDeCoの加入資格と拠出額の上限は以下の通りです。

 
加入区分 加入対象となる方 加入できない方
国民年金の第一号被保険者 日本国内に居住している20歳以上65歳未満の自営業、フリーランス、学生など 農業者年金保険の被保険者、国民年金の保険料納付を免除、一部免除されている方(ただし、障害基礎年金を受給されている方等は加入可能)
国民年金保険の第二号被保険者 65歳未満の厚生年金の被保険者(サラリーマン、公務員)の方

原則加入可能(2022年10月の企業型DCとの併用条件緩和により)

 

例外は「企業型拠出年金の金額が50,000円超の人・企業型拠出年金のマッチング拠出を利用している人」

国民年金の第三号被保険者 20歳以上65歳未満の厚生年金に加入している被扶養配偶者の方

イデコの掛金上限早見表

ここで注意しておきたいのが、自分が「会社員」で「企業型確定拠出年金」に加入している方です。

2022年10月からは「会社の規定に企業型確定拠出年金とiDeCoの同時加入を認める旨」がなくともiDeCoと企業型確定拠出年金の併用が可能になりました

しかし、企業型確定拠出年金の「拠出額」が50,000円を超える場合、および「マッチング拠出」をしている場合には、iDeCoの併用はできません。

▶︎ 企業型確定拠出年金の金額が50,000円を超える場合はなぜ加入不可?

iDeCoと企業型確定拠出年金を併用する場合、拠出合計金額が「月55,000円まで」と定められています。

そのため、iDeCoの掛金上限は「55,000円ー企業型確定拠出年金の金額=iDeCoの掛金上限」となります。

ここで「企業型確定拠出年金の金額が50,000円超」だと、iDeCoの金額が「5,000円未満」になってしまい、最低拠出金額を下回ってしまいます。

よって、企業型確定拠出年金の「拠出額」が50,000円を超える場合は「併用不可」となっています。

▶︎ マッチング拠出をしているとiDeCoは併用不可?

マッチング拠出をしている場合もiDeCoは併用不可です。

マッチング拠出とは、企業型確定拠出年金で「会社が拠出している金額」を上限として、掛金の積み増しをできる制度です。(上限の55,000円は変わりません)

マッチング拠出とiDeCoの併用を許してしまうと、他の加入資格者との「掛金上限のバランスがとれなくなってしまう」ため、併用は不可能になっています。

詳しくはこちら:iDeCoと企業型DCの併用は可能?併用する場合のポイントや判断基準を解説

iDeCoの毎月の掛け金(拠出額)を決める

 iDeCoでは、毎月の最低拠出額は「5,000円」に設定されているため、「5,000円〜自分の拠出限度額」の間で、家計を圧迫しない程度の金額の掛け金を設定しましょう。

iDeCoは「掛金が全額所得控除の対象になる」というメリットがあるため、資金に余力がある人は「拠出上限額」を積み立てて、毎年の所得税を軽減させるのもおすすめです。

イデコの掛金上限早見表

ただし、老後に備えるためといっても、上限金額まで設定して「現在の生活」がカツカツになったら本末転倒です。

あくまで、節税できる金額、毎月の余裕資金、その他資産運用の状況を加味して、拠出金額を決めることを推奨します。

iDeCoに加入する金融機関を決めて手続きをする

続いて、iDeCoに加入する金融機関を決めます。金融機関を選ぶ際に重要なのは「商品の取り扱いラインナップ」です。

理由は、商品数が豊富であればあるほど、投資戦略に幅を持たせることができるから。

有名どころでは「SBI証券」や「楽天証券」のiDeCoは運用商品数も豊富で、NISA口座のラインナップ・クレカ積立機能なども充実しているため「資産形成初心者」におすすめです。

関連記事:おすすめネット証券比較&ランキング個人投資家に人気の証券会社は?

それでは、めんどくさいと思われがちな「iDeCoの加入手続き」を解説します。

  • 必要書類
  • 必要な手続きの流れ

をできる限りわかりやすく説明していきますのでご安心ください。

漢字が多くて嫌になるかもしれませんが、大抵は書類につけられた名前が長々しくなっているだけなので、「そういう名前の書類なのね」程度に理解してもらえれば幸いです。

iDeCoの加入に必要な書類

まずは、iDeCoを申し込むのに必要な書類を紹介します。

【全員共通】

  • 本人確認書類※
  • 個人型年金加入申出書
  • 預金口座振替依頼書兼自動払込利用申込書
  • 加入者掛金配分設定届
  • 確認書

【会社員の場合】

  • 事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書

※①運転免許証②各種健康保険証③個人番号カード[表面のみ]④印鑑登録証明書⑤在留証明書から1点

これだと漢字ばかりなので、分かりやすく言い換えてみます。

【全員共通】

  • 本人確認書類
  • 申し込み書
  • 引き落とし銀行口座の申し込み書
  • 運用商品の配分を決める書類
  • 確認書

【会社員の場合】

  • 勤め先からの許可を証明する書類

以上が基本的な必要書類になります。

iDeCoの加入手続きの手順

ここから先の手順は金融機関によって申し込み方法が異なるので、一般的な手順を参考程度に紹介していきます。

  1. 資料請求
  2. 必要書類の記入&返送(ここで商品の配分や掛け金を決めます)
  3. 審査が通れば口座情報が送られてくる
  4. 運用開始

思っていたより簡単ですよね。これでiDeCoの運用がスタートできます。

自分の目的・性格に合った運用商品を決める

加入資格・毎月の掛け金を決めたらいよいよ投資らしくなってきます。次は「運用商品」を決めていきましょう。

「知識がないからとりあえず運用機関に聞けばいっか」と思っている方はちょっと待ってください。

もし金融知識に自信がなくても、運用機関の言われるがまま商品を決めるのは避けたいところ。

最低限、

  • ある程度リスクをとっても利益が欲しいのか
  • リスクとリターンのバランスを取りながら運用をしたいのか
  • できる限りリスクを減らして運用するのか

くらいは決めておきましょう。それだけでも運用方針と商品のミスマッチはかなり防げるはずです。

参考程度に紹介すると、

【運用方針とおすすめ投資先】
運用方針 おすすめの投資先
リターンを追求する 株式型投信
リターンとリスクのバランスを取る バランス型投信
リスクをできるだけ低くする 債券型投信
絶対元本割れは避けたい 定期預金・保険型商品

という見解が一般的だと思います。

あとは「株式型だけだと不安だから債券型にも20%くらい配分しておこう」といった具合に精神的負荷がかからない資産配分に調節していけばよいのではないでしょうか。

もう一点だけ気にして欲しいポイントがあります。それは「運用コスト」です。

iDeCoでは、対象となっている金融商品の大部分が「投資信託」です。

投資信託の運用には「信託報酬」というコストがかかってくるので、信託報酬が高く設定されている商品を選ぶと利益を圧迫してしまいます。

そのため、「自分が選ぼうとしている投資信託の運用コストは何%なのか」確実にチェックし、得られる利益が最大になるような商品を選択しましょう。

iDeCoを始める前にしっておきたい注意点!やらないほうがよい?デメリットしかないって本当?

ここまで、iDeCoの始め方を解説してきましたが「iDeCoの悪い噂」がひっかかっていて、始めるかどうか迷っている人もいるのではないでしょうか。

この章では、iDeCoを始める前に確認しておきたい注意点と悪い噂の真偽を「1問1答形式」で解説します。

iDeCoを始める前に知っておきたい注意点は「原則60歳まで引き出せないこと」

iDeCoは通常の株式投資やNISA制度と異なり「60歳まで引き出し不可(資金拘束)」されるという特徴があります。

よく言えば「自動で長期運用ができる」とも捉えられますが、資金の自由度という点では、デメリットに感じる人もいるでしょう。

ですから、直近で使う予定のあるお金はiDeCoではなく、NISA制度の活用をおすすめします。

関連記事:新NISA制度はいつから始まる?年間上限投資額や非課税期間など変更点をわかりやすく解説

iDeCoをやらないほうがよい人の特徴は?

iDeCoをやらないほうが良い人の特徴は以下の通りです。

  • 短期〜中期で資産形成をしたい人
  • 老後資金ではなく直近の子育て・結婚などのライフイベントに充てたい人
  • 企業型確定拠出年金で十分賄える人
  • 余裕資金がまだない人

iDeCoは無理にでも活用すべき制度ではなく、余裕資金がある人が「老後に備えるため」の制度と考えておくことをおすすめします。

生活を切り詰めて「今」をないがしろにしてまで加入することはおすすめしません。

iDeCoはデメリットしかないって本当?

60歳まで引き出せない、運用商品のバリュエーションが少ない等のデメリットは存在しますが、デメリットしかないことはありません

掛金が全額所得控除の対象となるため、節税効果+運用益の一挙両得が狙える「非課税投資制度」には変わりありません。

元本割れリスクや、60歳まで引き出せない自由度の低さに対して「強く」抵抗感がある人が「デメリットしかない」と感じていることが、この噂の大元だと考えられます。

意外とiDeCoを始めるのは難しくない!老後資金の準備にはおすすめの制度

ここまで、 iDeCoの始め方について紹介してきましたがいかがでしたか? 「案外難しくなさそう」と思った方もいるのではないでしょうか。

iDeCoは国が主導する「節税効果もある」個人型年金制度なので、難しそうと毛嫌いせずに、チャレンジしてみてはいかがでしょうか

みんかぶでは、この記事以外でも、さまざまな iDeCoの知識を提供しているので、ぜひそちらも見てみてください。

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