初心者に積立投資はなぜおすすめなの?気になるメリットと注意点をわかりやすく解説

自分の収入からの貯蓄だけでなく「投資」で資産形成を始めたい。
こうした考えを持つ人は年々増加してきているように思われます。
そして、投資について調べていくうちに「どうやら積立投資が初心者には適しているようだ」という結論に至った方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、「積立投資がおすすめ!」と言われても、しっかりとした根拠がなければ、なかなか投資に踏み出せない人も多いはず。
今回は、なぜ積立投資がおすすめだと言われているのか、その理由やメリット、注意点までわかりやすく解説します。
この記事を通して、積立投資にへの悩みやモヤモヤを解消していきましょう!
【この記事でわかること】
- 積立投資が初心者におすすめな理由
- 積立投資のメリット・デメリット
- 積立投資に適した投資先
目次
積立投資がおすすめと言われる理由・メリットは?

さっそく「積立投資がおすすめ」と言われている理由を紹介していきます。ただ、メリットを解説する前に一つだけ注意して欲しいことがあります。
それは、「積立投資は手法に過ぎない」という点です。積立投資がいくら優れていても、投資先や運用方法を間違えてしまうと、十分な恩恵が得られません。
そのため、この章では「積立投資という方法のメリットの説明だ」という前提を忘れずに読み進めてもらえれば幸いです。
メリット1:買い付けタイミングに悩まない
積立投資では、積み立てる「タイミング」と「金額」さえ決めてしまえば、あとはルールに則って積立をするだけで済むため、買い付けタイミングを悩まずに済みます。
「今は上がっているから/下がっているからやめておこう」など、主観的な考えでチャンスを逃すことも少なくなり初心者にもかなり効果的。
また、価格が高いときは少なく、安いときは多く買い付けることができるため、高値で多く買ってしまうリスクを下げられます。
特に、相場の予測が困難な投資初心者にとって、積立投資は非常に有効な投資手法の一つといえます。
メリット2:少ない資金から始められる
少額からでも始められる点もメリットの1つ。
個別株投資や一括投資では、数十万〜数百万円単位のまとまった資金が必要になってきます。
積立投資は「長期的」にお金を積み立てて徐々に投資元本を大きくしていく方法なので、「毎月1万円」などの少額からスタートが可能。
そのため、短期的に大きな資金は必要ありません。生活の余裕資金から一部を投資に回すだけで始められるためハードルはグッと下がります。
近年、証券会社のサービスも充実してきており、投資信託の積立であれば「100円」という超少額からお試しで投資をすることも可能になってきています。
初めから大きな金額を使う必要がないのは、積立投資の大きな利点といえますね。
メリット3:長期的には資産を増やせる可能性が高い
積立投資の効果は、投資先に左右されるため、どの投資先を選んでも利益が出るというわけではありません。
とはいえ、米国や全世界など今後も経済成長が見込まれる投資先へ積立投資する場合には、リターンを得られる可能性が高くなります。
【参考】S&P500のチャート(1990年〜2021年4月)

このように、長期的にみて価格が右肩上がりで成長している投資先の場合には、積立投資はリターンを得られる確率が高いということです。
こうした右肩上がりのチャートでは「最高値」を更新していくため、更新したタイミングより前に買っていた分に関しては大小の違いはあれど、全て「プラス」になるからです。
メリット4:運用の手間がかからない
積立投資の場合は、年に1回ほど評価額の確認などはしたいところですが、それ以外は淡々と積み立てていくだけなので、手間がほとんどかかりません。
証券会社で、買い付けの設定をして証券口座にお金を入れておけば、あとは半自動的に積立をしてくれます。
そのため、株価の上下に一喜一憂したり、短期的な値上がりを狙って頻繁に情報収集をして売買をしなくて済みます。
「株価が気になって仕事に集中できなくなったり、生活リズムが崩れたり。日々のQOLに支障が出てきたら本末転倒。健康な身体も大事な資産です。
精神的な負担を減らしつつ、資産運用を続けられるのは、大きな魅力といえます。
積立投資を始める前に知っておきたいデメリット

ここで重要なのは、積立投資の注意点を正しく理解して、「自らそのリスクに備えること」。早速、積立投資の注意点についてみていきましょう!
デメリット1:損失を抱える時期もある
一つ目の注意点は、「損失を抱える時期もある」ということです。
積立投資で、長期的に値上がりが期待できる投資先を選んだとしても、一時的に含み損を抱える可能性は大いにあります。
特に、「積立投資のシミュレーション機能」などを利用してみると、資産が右肩上がりに増えていくグラフが表示されますが、実際はの積立投資では大きく下がる時も、大きく上がる時もあるため、投資資産の推移はジグザグしたグラフになります。
そのため、「資産が右肩上がりに増え続ける」という間違った認識のまま積立投資を始めると、いざ損失を抱えたときに焦って売却してしまう可能性があるので注意しましょう。
デメリット2:売却のタイミングを考える必要がある
積立投資の活用方法として有名な「つみたてNISA」や「iDeCo(イデコ)」などでは、制度のメリットや魅力ばかりが語られがちです。
しかし、投資をしていく上では、「開始時」「運用中」「終了時(ゴール)」それぞれ3つの期間において、しっかりと戦略を練ることが重要です。
ですから、積立投資のメリットだけをみて楽観的に始めるのではなく、「積立投資の目的はなんなのか」「何年程度の運用をするのか」「いくらになったら売却するのか」などをしっかりと整理してから始めるようにしましょう。
デメリット3:積立投資より一括投資の方がパフォーマンスが良い場合もある
先程紹介したS&P500のような、過去100年以上にわたって成長している対象へ投資する場合は、最初に一括で投資をして長い期間運用した方が、「複利効果」も高くなり、トータルの利益も大きくなる場合があります。
しかし、一括投資の場合、運悪く相場が天井(直近で一番株価が高いところ)で買ってしまい、その後、株価が急落していくような局面だとさっそく大きな含み損を抱えることになります。
そのため、リターンが良いからといって、一括投資が積立投資より優れているわけではないので誤解しないようにしましょう。
デメリット4:積立投資は長期的にコストがかかる
長期で定期的に買い付けを行うということは、その都度手数料がかかります。
特に、積立投資で「購入時手数料」も必要で、「信託報酬(投資信託の運用コスト)」も高く設定されている投資信託を選んでしまうと、コストが利益を圧迫する可能性があるので注意しましょう。
ただ、この注意点は「つみたてNISA」を活用すれば、購入手数料もかからず、利益も非課税になるため、十分自分でケアできる注意点といえます。
積立投資のコツは?メリットの背景を理解して一枚上手の投資家になろう
ここまでの内容だと、誰でも積立投資をすれば、利益を上げられるように感じますよね。
今まで紹介した知識だけでも長期で積立投資を続けていけば利益を獲得できる可能性は十分にあります。
とはいえ、「なんで米国株は右肩上がりなのか」もしくは「積み立てる銘柄選びの注意点はあるのか」など、一歩踏み込んだ知識があった方が、自信を持って投資にチャレンジできるようになります。
ここからは、積立投資の一歩踏み込んだ知識を紹介していきます。
積立投資の投資先として「S&P500」と「全世界株式」が選ばれる理由は?

積立投資の投資先として人気なのが「S&P500」に連動した投資信託や「全世界株式」に投資できる投資信託です。
特に、つみたてNISAの投資先を調べていると、この二つがよく取り上げられているのでは、ないでしょうか。
では、なぜ「米国」と「全世界」への投資が人気なのか、そこにはちゃんと理由があります。
その理由は、簡単に言ってしまえば「今後も成長が期待できるから」
なぜ、今後の成長が期待できるかというと、米国と全世界には「人口が増加傾向である」という共通点があり、人口が増加傾向であれば経済は成長していくという考えがあるためです。
しかし、それだけが理由ではありません。もう一つの理由は「米国」の国としての特徴にあります。
米国は、ご存知の通り世界一の経済大国で「株式資本主義」が根付いているため、国をあげて「経済」そして「株価」を成長させようとします。
国をあげて経済成長と株価の安定を支えているという特徴が米国にはあるため、絶好の投資先として認識されることが多いんですね。
「じゃあ全世界は?」と疑問に思う方は目の付け所がいいです。
実は、全世界株式という名前がつけられていますが、構成要素を見てみると米国株の占める割合が50%を超えている投資信託が多く、全世界株式のパフォーマンスはある程度「米国株」のパフォーマンスに依存しているといえます。
ただ、全世界株式の場合は米国以外にも投資ができるため、全世界に分散投資をしたい場合はこちらを選ぶのも選択肢の一つといえます。
積立投資は投資先の長期成長に投資している
次に考えたいのが、「積立投資」をするということは、本質的に何を意味するのかです。
小難しいテーマに思えるかもしれませんが、答えは簡単で「投資先の成長に期待をする」ということです。
安易に「インバース型投信」などの、対象指数が下がると儲かるような投資信託を積み立てるのは賢い選択とはいえません。
なぜなら、インバース型に積立投資するということは、その対象は長期的に後退していくだろうと考えているということになるからです。
定期的に、このままこの国の指数は下がっていくだろうという思惑からインバース商品が人気になることがありますが、そうした一時的なブームには惑わされないようにしましょう。初心者こそ、まずは投資の王道を行きましょう。
結論:投資の入り口として、積立投資は最適解の一つ
ここまで読み進めてきた方は、積立投資に関してかなり詳しくなったのではないでしょうか。
今回の記事で紹介した通り、積立投資は「継続」「長期」そして「投資先の選定」この3つを抑えれば、あとは手間をかけずに運用していける投資手法になります。
最初は、投資先を選ぶのに悩むかもしれませんが、悩んだ経験は今後の投資の糧になります。始めてしまえば楽ちんな積立投資ですから、最初くらいは重い腰をあげて、入念に下調べをしてみると良いと思います。