保育園落選、実家は九州。それでも諦めなかった「子育てと経営の両立」を支えた選択
保育園の落選通知を受け取るたびに、髙山氏は次の手を考えた。実家は九州、祖父母への預け入れは現実的ではない。認可保育園に落ち続けた末に取った行動は、子育て支援に取り組む区議会議員へのDMだった。制度の枠の中で待つのではなく、制度を動かしている人間に直接当たる——起業家らしい突破口の開け方だった。
株式会社MIKIA代表・髙山亜希美氏は、「子どものせいにしてキャリアを諦めるのはもったいない」と言い切る。しかしそれは綺麗事ではない。産後半年での復帰、保育園問題の力技での突破、業界慣習を無視した休日設計——条件が何一つ揃っていない中で、動き続けるための選択を積み重ねてきた。本稿では、両立を可能にした現実的な判断と、起業というキャリア選択が生んだ働き方の自由を明かす。全4回の第4回。
みんかぶマガジン連載「バリキャリ女性社長のワークライフ・ルール」
目次
収入を止めない。キャリアを諦める前に知ってほしいこと
出産や育児を機に仕事を離れる女性は多い。一度キャリアが途切れると、収入が戻るまでに何年もかかることがある。職種によっては、そのまま正規雇用に戻れないケースも珍しくない。それでも「子どもがいるから仕方ない」と受け入れてしまう女性に、髙山氏は問いかける。「子どものせいにしてキャリアを諦めるのは、もったいないと思っています。物理的に難しいことはある。でも諦める前に、動いてみてほしい」
30歳頃、妊娠を希望し始めたタイミングで、髙山氏は一つの判断をした。「それまでの仕事に加えて、手に職をつけようと思ったんですね」。選んだのはネイルスクールだ。産休や育休で会社を離れる期間も、自宅でできる仕事として収入を確保できる——そのための選択だった。休んでいる間の収入の空白をできる限り小さくすることは、キャリアを止めずに動き続けるための、経済的な備えでもあった。
保育園に何度も落ちた。区議会議員にDMを送り、道を開いた
子育てとキャリアの両立に励む中、最初にぶつかったのが保育園の問題だった。誰もが避けては通れない道だ。実家は九州で、祖父母への預け入れは現実的ではない。認可保育園の申し込みを繰り返したが、落選が続いた。
「一時保育を見つけたり、民間の保育園に預けたりもしました。あとは子育て支援に取り組んでいる区議会議員の方がSNSで発信していたので、ダイレクトメッセージを送って、実際に相談しに行きました」
制度の枠の中で待つのではなく、制度を動かしている人間に直接当たる。そのアプローチで、ようやく保育園が決まった。認可保育園に落ちたら「待つ」か「諦める」しかないと思っていた人にとって、この動き方は一つの突破口になる。「何かしら道はあるはずなので、あきらめずに動くことが大事だと思います」