臨月のお腹で「お金を貸してください」。福田恵里氏が億単位の借金を背負ってでも、会社を畳まなかった理由
どちらが正しいか分からない選択を前に、人は何を基準に決めればいいのか。会社をたたむか、個人で億単位の借金を背負うか。二択を突きつけられた福田恵里氏は、後者を選び、臨月のお腹で資金を借りに回っている。決断の基準と、出産を経て変わった経営について聞いた。全4回の第3回。
みんかぶプレミアム連載「バリキャリ女性社長のワークライフ・ルール」
「お金を貸してください」。臨月まで頭を下げ続けた1年間
1年間悩み抜いた末、福田氏は会社を続ける方を選んだ。ただし、決めたあとにやるべきことは山積みだった。
「私が1億円を貯金として持っているわけはないので、続けるとしても誰かからお金を借りなければいけないんです。だからいろんな方々に頭を下げて、お金を貸してくださいと1年間ずっとお願いして回りました。臨月のときはさすがに、大丈夫ですかとすごく心配されましたね」
資金の目処が立ち、会社は存続した。同じ時期に子どもも無事生まれ、経営体制の刷新にともなって福田氏自身が代表取締役に就任する。会社にとっても個人にとっても大きな出来事が、同時に押し寄せた。
「あれが乗り越えられたので、正直、別に何でもできるという感じです。あの出来事が、すごく私を経営者にしてくれたなと思って、常に感謝しながら生きています」
そうそう例を見ないこの困難な状況を、苦労話としてではなく成長の機会だったと明るく語る姿が印象に残った。
「どちらが正しいか分からない」とき、何を基準に選ぶのか
これほど重い決断を、どう下したのか。判断の物差しは驚くほど単純だった。