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楽天社債の利率は驚異の10.25%!社運を賭けた「楽天モバイル」の重大局面で三木谷氏が資金調達の大勝負

 楽天グループのドル建て社債の利率が10.25%であることはご存じだろうか。苦戦が報じられている楽天のモバイル事業だが、三木谷氏はファイティングポーズを取り続けている。みんかぶプレミアム特集「楽天」第2回はジャーナリストの小倉健一が、同社が置かれた環境を解説する――。

目次

楽天グループのドル建て2年債は表面利率が10.25%!!

 決算での赤字幅が過去最大を更新し、不振が続く楽天グループだが、その主な原因は携帯電話事業の楽天モバイルだ。新規参入に伴う通信網や基地局整備の負担が重くのしかかり、2022年5月に発表された、料金が実質無料「0円プラン」の終了(2022年7月)で顧客離れが進んだ。2022年9月末の契約数は455万件と、半年前から36万回線も減らした。

 楽天モバイルの大苦戦は、楽天グループ全体の経営にも大きな影響を与えている。楽天グループの22年度第3四半期決算を見ると営業損益は累計2870億円の赤字で、前年度(前年同期は1083億円の赤字)と比べ赤字幅は160%増えた。これまでに投じた費用は主に借り入れや社債で対応し、9月末時点の有利子負債(金融事業を含む)は2兆7337億円だ。好調な楽天市場や金融事業の利益を、楽天モバイルがひたすら食いつぶす構図が続いている。

 米国格付け会社S&Pグローバル・レーティングは12月21日、楽天グループの長期格付けを「BB」とし、従来の「BB+」から1段階引き下げた。

 S&Pは「モバイル事業の業績改善が遅れていることで、非金融事業のフリーオペレーティングキャッシュフロー(FOCF)の大幅な赤字が今後12カ月程度続く」とし「同赤字を補うための非負債性資金の調達が2022年12月期中はわずかな額にとどまることで、非金融事業の財務内容は大幅に悪化する見通し」を示す。さらに、「モバイル事業の業績改善が一段と遅れるなどして、来期の非金融事業の業績とFOCFがS&Pの現在の想定よりも弱いものとなる可能性が3分の1以上の確率であるとの見方」を反映して格付けを1段階落とし「ネガティブ」にしたのだという。楽天グループが2022年11月に起債したドル建て2年債は、表面利率が10.25%ある。2019年発行のドル建て5年債の表面利率が3.546%だったことを考えると、資金調達に大苦戦している様子がうかがえる。今回の「格下げ」によってさらに資金調達が苦しくなっていくだろう。

驚異的利率で資金調達…三木谷は何を企てている

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この記事の著者
小倉健一

1979年生まれ。京都大学経済学部卒業。国会議員秘書を経てプレジデント社へ入社、プレジデント編集部配属。経済誌としては当時最年少でプレジデント編集長就任(2020年1月)。2021年7月に独立。現在に至る。 Twitter :@ogurapunk、CONTACT : https://k-ogura.jp/contact

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