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「安くなったから買う」人はもう負けている・・・史上最高値から急落した相場、著名投資家が教える激動相場の「読み方」

松本侑
(c) AdobeStock

 好調だった日経平均株価が、一転して急落に見舞われた2026年上半期。地政学リスクやSNSに流れる「まだ下がるのではないか」という声に直面し、思わず売りに走った個人投資家もいるかもしれない。

 「相場の急落局面で大切なのは、銘柄の目利き力以上に、負けない仕組み”を持っているかどうかです。」そう語るのは、投資スクール「Financial Free College(FFC)」を運営する株式会社バイアンドホールドCEO・松本侑氏だ。

 同じ下落相場でも、資産を大きく減らす人がいる一方で、次のチャンスに変える人の特徴とは・・・。

 トランプ氏の発言、関税報道、地政学リスク、米国の雇用統計、そしてインフレ下での資産の守り方。先行きが読みづらい2026年下半期、相場から退場しないためにどのようなマイルールを持つべきなのか。松本氏に伺った。インタビュー連載全2回の第1回

目次

「落ちるナイフ」の恐怖

ーー株価が急落して割安感が出てくると、つい「押し目買いのチャンスだ」と手が伸びてしまいます。安値で拾うのは投資の王道ではないのでしょうか。

 間違いではないですが、ただ安直に実行してしまうのはNGです。

 株価の下落には「一時的な過剰反応」と「成長トレンドそのものの崩壊」の2種類が存在するからです。

 ただ単に「前の価格より安くなった」という値ごろ感だけで買ってしまうと、いわゆる「落ちるナイフ(※)」を掴む結果になりかねません。

※株価が急落している局面で、安くなったからといって飛びついて買う行為を指す投資格言

ーー具体的には、どのような基準でその違いを判断するのでしょうか。

 半導体指数の3倍レバレッジETFである「SOXL」を例にしましょう。半導体市場の長期的な成長性に疑いがないとしても、レバレッジ商品はまったくの別物です。

 1日で20%下落するような商品を「安くなったから」と無計画にナンピン買いすれば、反発を待つ前に資金が底を突き、一発退場を余儀なくされます。

 半導体株そのものは「買い場」であったとしても、SOXLのような特殊な武器は、相応の覚悟と規律なく持ち続けてはいけません。

 短期売買と割り切り、あらかじめ損切りラインを明確にする。この「銘柄の性質」と「価格」を切り離して考える冷静さが、今の荒れ相場では不可欠となります。

メンタル強めでも暴落には勝てない

ーー大きなチャンスが来たと確信したときほど、資金を集中させて利益を最大化したいと考えるのが普通かと思います。ただ、松本さんは「フルベット」に否定的だと伺いました。

 暴落時に最も恐ろしいのは、恐怖心やパニックではありません。物理的な「資金切れ」です。

 よく、含み損に耐えられるかどうかは、その人の精神力やマインドの強さで決まると思われがちですが、事実は異なります。「ポジションサイズ(投資額の規模)」で決まるのです。

ーー精神力ではなく、仕組みで解決するということですか。

 そうです。投資において最も難しく、かつ重要な点ですが、資産の全額をハイリスクな商品に投じていれば、どんなにメンタルが強い人間でもまず冷静でいられません。

 ですが、一定の余力を残していれば話は別。どれだけ相場が荒れても「今は待ちの局面だ」と一歩引いて眺めることができるのです。

 投資において最も避けるべきは、再起不能なダメージを受けて相場から退場することです。以前に申し上げた通り、私のマイルールは「勝負しない」ことではなく、「常に退場しない形で勝負を続ける」ことにあります。

 損切りラインを決めない逆張りやフルベットは、投資ではなく投機、つまり無謀なギャンブルにすぎないのです。

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この記事の著者
松本侑

投資スクール「Financial Free College(FFC)」を運営する株式会社バイアンドホールドCEO。千葉県出身。大学卒業後メガバンクに就職し、投資に興味を持つも、適応障害を経験。その後、難関大学向け大学受験塾講師として働きながら本格的に投資を開始するが、最初の3年間は損失が続く。試行錯誤を重ねた結果、長期投資を軸としたスタイルを確立。2020年には資産を4,000万円に増やし、サイドFIREを達成。現在の総資産は8,000万円に到達。

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