毎日株価を見る人は負けやすい・・・年間配当1000万円投資家が提唱する“インフレ時代の生存戦略”
以前なら1000円で済んだランチが、気づけば1500円。スーパーへ行くたびに、食品や日用品の値札がまた上がっている。賃上げのニュースは増えたものの、給料よりも生活費のほうが早く膨らんでいると感じる人は多いのではないだろうか。
「物価が上がっている今だからこそ、優待が家計を助けてくれるんです」そう語るのは、約500銘柄を保有し、年間配当1000万円を目前にする専業投資家のペリカン氏だ。
お米や洗剤、スーパーの割引券、外食チェーンの食事券。ひとつひとつの金額は小さく見えても、こうした優待が定期的に届けば、生活費の負担を着実に減らしてくれる。
さらに、優待には家計を助けるだけでなく、株価が下がった時に慌てて売るのを防ぐ「精神安定剤」としての役割もあるという。
なぜ、現金でもらえる配当だけでなく、あえて「現物」の優待を重視するのか。高利回りに見えて、突然廃止される危険な優待株はどう見抜けばよいのか。
物価高と暴落の両方から暮らしを守る、ペリカン氏流の「優待×配当」投資術を伺った。インタビュー連載全2回の最終回。
目次
配当で増やし、優待で持ち続けよ
ーー優待はオマケに過ぎないとの意見も多いです。現金で配当をもらい、好きなものを買う方が合理的ではないでしょうか。
確かに現金は自由度が高く、使い道に無駄がありません。数字の効率だけを見れば、優待を廃止して高配当に絞っている企業へ投資をする方が、合理的だと思えるかもしれません。
ですが、相場が暴落したときの「精神安定剤」として、優待の右に出るものはないと考えています。
株式投資で最も難しいのは、株価が急落した時にパニックにならず、株を持ち続けることです。購入した株が半値になった時、リターンが配当金だけだと「このまま持っていて大丈夫か」と不安に押しつぶされて手放してしまいます。
人間は損失に極めて敏感な生き物ですから、画面上のマイナス表記に耐えられなくなるのは当然の心理です。
ところが、毎年お米や自社製品が自宅に届く仕組みがあると、「含み損は出ているけれど、毎年お米がもらえるから売らずに持っておこう」と踏みとどまることができます。
つまり、数字上のマイナスを、物理的な「現物」の喜びが相殺してくれるのです。この心の余裕が、狼狽売りを防ぐ大きな武器になります。配当金にあたる現金で資産を増やしつつ、優待に該当する現物でメンタルを保つ。
この二段構えでポートフォリオを組んでおけば、どのような相場でも心穏やかにやり過ごせるようになりますよ。
物価高に勝つのは、配当より日用品
ーーとはいえ、クオカードや自社商品が少し届く程度では、今の強烈な物価高への対抗策としては弱い気がします。
それが案外、家計を大きく助けてくれます。銀行に現金でおいておくと価値はどんどん下がっていきますが、現物支給の優待はインフレに負けません。
飲食チェーンの食事券、スーパーの買い物割引券、トイレットペーパーや洗剤などの日用品。これらが定期的に届く仕組みを作っておくと、生活費の支出を直接的に削ることができます。数百円、数千円の節約も、1年間積み重なれば相当な金額に膨れ上がります。
私自身も、届いたカタログギフトで普段は買わないような高級なお肉や海鮮を選んだり、外食チェーンの優待券を使って休日に家族で食事に出かけたりしています。
スーパーでの買い物も、手元にある優待券を使える店舗を自然と選ぶようになりました。
生活費の補填に役立つだけでなく、現金を減らさずにちょっとした贅沢を味わえるのも、優待ならではの強みかなと。
インフレでランチ代が1.5倍になっても、優待券で支払える環境があれば、痛手は最小限で済みます。
現金は使えばなくなってしまいますが、配当と優待を生み出す株は、企業が存続する限り毎年リターンをもたらしてくれます。これこそが最強のインフレ対策ではないでしょうか。