ネット検索だけで物件を探す人は「養分」になっている?成功投資家が独占する「情報の川上」へのアクセス術
東京大学を卒業しながら「新卒ニート」を選び、家賃1万9000円のアパートで月3万5000円の生活を送った男が、純資産10億円を築き上げた。いかにして、その逆転劇は実現したのか。時給1000円の掃除バイトからキャリアをスタートし、不動産鑑定士資格の取得を経て、EYグループ、さらには投資銀行ゴールドマン・サックスのアセットマネジメント部門へと駆け上がった小原正徳氏。2016年の独立後は「不動産アカデミー」を主宰し、延べ500名以上に実践的な投資手法を指導。Amazon不動産投資部門で1位を獲得した著書でも知られる。
本稿では、わらしべ長者的なキャリア戦略で最強の融資属性を手に入れるまでの軌跡から、純資産1億円を最短で突破するポートフォリオロードマップ、プロが独占する「情報の川上」へのアクセス術、そして1億円を10億円に変える税務・負債・時間の支配術まで、ニートから10億円を実現した全知見を余すところなく語っていただいた。全4回の第3回。
みんかぶプレミアム連載「富裕層たちの黄金法則」
目次
ポータルサイトは物件を「買う場所」ではない
一般的な不動産ポータルサイトに掲載されている物件の大多数は、プロや有力な大家が水面下で検討した上で見送った「出がらし」であるケースが少なくありません。本当に爆発的な利益を生む物件は、ウェブに公開される前の段階で、業者と投資家の1対1のコミュニケーションによって蒸発してしまいます。ネット検索だけで「いい物件がない」と嘆いている人は、情報収集の土俵を間違えていると言えるでしょう。
しかしだからといって、ポータルサイトを一切見るなという意味ではありません。使い方の「目的」を変えるのです。初心者がまずやるべきは、ポータルサイトを使った「相場観の筋トレ」です。物件を購入するために検索するのではなく、そのエリア・構造・築年数における標準的な利回りを脳に叩き込むために、100件、1000件と日々物件を眺めてください。大量の物件を浴びるように見ることで、ごく稀に紛れ込む「値付けミスによるお宝物件」を瞬時に嗅ぎ分ける目利き力が養われます。
お宝物件は掲載された瞬間に「秒速」で買い付けが入ります。自分の都合のいい時間に検索しているようでは絶対に間に合わないため、私は特定のエリアや利回り条件で80通り以上の条件設定を登録し、専用のメールアドレスにプッシュ通知が届くようにしています。ごく稀にこの方法で優良な物件情報をリアルタイムで取得し購入に至る場合もあります。
しかしポータルサイトの最も有効な使い方はそこではありません。入手した物件情報に対して、多少割高でも値下がりすれば購入したいと思える物件には資料請求をします。目的は、資料そのものを入手することではなく、その物件を扱っている業者と直接つながるきっかけとすることです。資料を送ってきた業者に対し、自分の資産背景や本気度を記したプロフィールを即座に返し、一斉配信リストではなく「個別紹介リスト」への昇格を狙うのが正しい使い方です。ポータルサイトは物件を買う場所ではなく、業者との関係を築く「入口」に過ぎないのです。
ゴールドマン・サックス仕込みの「一次情報」の捕まえ方
世界最強の投資銀行と言われるゴールドマン・サックスでさえ、物件情報の収集は驚くほど泥臭い「1対1の対面コミュニケーション」が基本でした。営業担当者は、朝・昼・晩と人に会い続け、信頼関係の貯金を積み上げることで「川上情報」を引き出していました。ネット上には落ちていない「誰がいくらで、なぜ売りたいのか」という一次情報は、結局のところ足で稼ぐしかないのです。
賃料相場を把握する際には、AI賃料査定サイトを使うのみならず、現場の賃貸仲介店舗へ直接電話をかけてヒアリングすることも欠かせません。業者が作ったレントロール(賃料表)はあくまで想定値に過ぎませんが、賃貸仲介の担当者の生の声を聞けば、そのエリアの真の需要や賃料の限界値が手に取るようにわかります。