円安はまだまだ続くのか・・・投資歴20年超の助言者が教える「最もうまくいったトレード」
日米協調介入を経て、再び円高へと傾いたドル円相場。これから向かう先は、さらなる円安か、それとも円高か。
投資歴20年超、投資助言者として日々投資家にアドバイスを届ける投資助言者【馬】さんに、今後のドル円相場の動きについて分析してもらいました。インタビュー全2回の第1回。
「歴史的水準」であることを認識すべき
ーー介入前、ドル円は163円近辺で推移していました。あの水準をどう考えていましたか。
「歴史的水準」という認識を持っていました。1980年代以来となる水準をうかがう場面もありましたから、ここ数十年で最悪と言える円安圏でした。
ただ、私が重視しているのは水準そのものではなく「なぜここにいるか」です。単なる金利差や、株の動きとの相関・逆相関だけでは理解できない動きが多いんです。リアルタイムでFOMCも見ていましたし、ウォーシュFRB議長の定例記者会見も聞いていました。議長はインフレが高止まりする場合に利上げも選択肢に入るという趣旨の発言をしていて、9月FOMCでの利上げ観測が高まっています。
一方の日本は、6月会合で利上げを決めたばかりで、今回の会合は1.0%での据え置きが有力です。「米国が上、日本が止まる」という差がそのまま円売りの燃料になっていました。
2024年に161円台をつけた時とは違って、もはや成すすべがないレベルに来てしまったと感じていました。投機筋が売りに転じ、売りが売りを呼ぶ状況にならなければ円高に傾くのは難しいという考えでしたね。
ーー以前「教科書が通じない年」と総括されていました。あれから半年、通じない度合いは強まりましたか。
強まっていますし、性質も変わってきているように思います。
6月に示された骨太の方針の内容が長期金利の上昇に拍車をかけました。高市首相の積極財政と金融緩和重視の姿勢から、財政悪化に加えて、日銀の利上げが遅れて物価高騰を招くという懸念が広がったんです。
教科書通りに考えるなら「金利が上がれば通貨が買われる」でしょう。ところが今の日本は、金利上昇が「国の信用に対する不安」から来ているので、金利が上がっているのに円が売られています。この異質な組み合わせは「これまで通り」に考えてはいけないということですね。
突然の協調介入
ーーそんな中で協調介入が行われました。予想されていましたか。
介入があるなら、単独ではなく協調介入だろうとは思っていました。去年から言い続けていたことでもあります。米国が加わってきて「仲良くやっているよ」というような発信があって、これは協調介入になりそうだとは感じていました。
ただ、そこに韓国まで入ってきてドル売り介入をしているというのは、正直かなり驚きましたね。
ーー相場は大きく動きましたね。
7月末は164円に行くか行かないかという状態でしたから、そこから8円の戻りが出ています。直近ではなかったレベルの動きです。買い方(ロング勢)は相当な痛手を負っていると思いますよ。
これが良い流れに向けば円高方向に進むと思いますし、テクニカル的にもファンダメンタルズ的にも注目を浴びるラインが断続的にあります。特に150円は、高市首相が政権を取った後に進んだ円安の起点にあたるので、ここを割れてくると、本気モードでさらに下がっていく可能性が高いと見ています。
ーー150円を割る可能性は十分あり得るということでしょうか。
断続的にこの流れが続けばあり得ます。大口などの参加者が「ここからしばらく売りを仕掛けた方が良い」というパターンに入れば、150円割れはかなり強まると思います。
ただし、ドル円は過去に何度も140円を割っています。160円台から下げていく過程で見れば、最終的にはその辺りが底堅いところで、それより下は、今のところ見えていません。