「300万円がほぼゼロに」それでも会社員を続けながら資産数千万円を築いた兼業デイトレーダーの復活劇

会社員として働きながらデイトレードを続け、資産を数千万円まで積み上げてきたトレーダー・のきした氏。金融とは無縁の業種で会社員を続け、朝の相場が動く時間を狙って売買する。今でこそ安定した成績を残しているが、そこに至るまでには、300万円がほぼゼロになった苦い経験があった。全3回の第1回。
みんかぶプレミアム連載「デイトレード 最短で億り人を目指す!」
NISAしか知らなかった会社員が、デイトレを始めるために最初に手に取った一冊
金融系とはまったく関係のない業種で会社員を続けながら、株式投資を始めたのはコロナ禍だった。それ以前から投資自体はしていたが、内容は堅実そのものだった。
「NISAはずっとやっていたんです。ただ、投資信託、しかも安定型のものばかりで。貯金の代わりみたいなものだったので、そんなにリスクを取った投資はしていなかったです」
個別株の値動きを本格的に勉強し始めたのは2021年ごろ。それまではPBR(株価純資産倍率)やPER(株価収益率)といった指標の意味すら分からなかったと振り返る。年齢を重ねて資金にも余裕が出てきたタイミングで、無理のない範囲でデイトレードを始めてみようと決めた。
勉強法として選んだのは、市販の書籍とYouTubeだった。
「一番ベタなやつでいくとオリバー・ベレスとグレッグ・カプラの『デイトレード』という本ですね。今でも読み返したりするんですけど、それ以外の本もたくさん読み漁りましたし、株の発信をされているYouTubeも結構フォローさせていただいて見ていました」
ただし、本や動画だけで勝てるようになったわけではないと振り返る。
「どちらかというと、やりながら勉強したという方が大きくて。移動平均線とかも実は全然見ないんですよ。ほとんど板読みとチャートだけで勝負するので、文字で見るのと実際に入ってみるのとでは、感覚が全然違いましたね」
「これくらい上がるものだ」と信じ込んだ先に待っていた、300万円の代償
最初の資金は300万円。順調に見えたスタートは、ある新規上場(IPO)銘柄との出会いで一変する。
「当時IPOが結構盛り上がっていて、公開価格が1000円台のものが1万円ぐらいまで上がるみたいなことが結構あったんです。それで私はもう、IPOってこれぐらい上がるものなんだと思い込んでしまって」
思い込みのまま、ある銘柄を1万円前後で買い付けた。ところがその株価は、あっという間に1000円近くまで下落した。損失に転じただけでなく、追加保証金を迫られる事態にまで追い込まれ、元手の300万円はほぼゼロに。過去に見てきた値動きが基準になってしまい、今回も同じように上がるはずだと決めつけてしまった判断ミスだった。