10倍株より“誰もが知る銘柄”が勝つ時代?資産10億円投資家が「社名のローマ字化」に注目する理由
本稿で紹介している個別銘柄:トヨタ自動車(7203)、キヤノン(7751)、第一三共(4568)、ソニーグループ(6758)、任天堂(7974)、栗本鐵工所(5602)、日本鋳鉄管(5612)、日本コンクリート工業(5269)、三菱重工業(7011)、川崎重工業(7012)、IHI(7013)、豊和工業(6203)、極東貿易(8093)、ミネベアミツミ(6479)、UBE(4208)、SWCC(5805)、SUBARU(7270)、Joshin(8173)、大阪ソーダ(4046)、東京計器(7721)
次の10倍株を求め、グロース市場の新興企業に目を向ける投資家は多い。だが、30年以上にわたって日本株を見てきた株億太郎氏の銘柄選びは、その逆だ。
「世間ではAIが注目されていますが、古くからある会社のなかで、出遅れている企業を探すのもよいと思います。実際、そうした会社は数多くあります」
注目するのは、プライムやスタンダード市場に残る「古い会社」だ。さらに最近は、決算や配当に加え、「社名のローマ字化」も投資先を探す際の材料にしているという。
そこで今回は、なぜグロース株ではなく歴史ある企業に目を向けるのか。これから再評価される企業の特徴や、社名変更から企業の変化を読み取る方法について、株億太郎氏に話を伺った。インタビュー連載全3回の第2回。
グロース株は「ロマン」で買われない
ーー成長株を探すなら、グロース市場のほうが効率的ではありませんか。
グロース市場そのものが悪いわけではありません。よい会社も数多くあると思います。ただ、昔の東証一部・二部やマザーズの時代と比べても、新興企業を見る投資家の目は厳しくなりました。
上場すること自体がゴールになり、その翌年に業績予想を下方修正して、株価が大きく下落する企業もあります。
グロース銘柄のチャートを見ると、右肩下がりになっている銘柄も少なくありません。株価がピーク時の5分の1、10分の1まで下落するケースも珍しくありません。
現在の上場企業には、「いま、いくら利益を上げているのか」だけではなく、「今後何年間で、どこまで利益を伸ばせるのか」という見通しまで強く求められています。
大きな成長計画を掲げても、それを裏付ける実績が伴わなければ、市場からの評価は崩れやすくなります。
ーー将来性に投資する以上、ある程度の失敗は織り込み済みではありませんか。
問題は、成長の裏付けが乏しいまま期待だけが先行しているケースです。
カタカナや英語の社名を持つ新興企業のなかにも、優れた会社は数多くあると思います。ただ、そのなかから本当に成長する会社を一つずつ探し出すには、かなりの時間がかかります。
それなら私は、プライムやスタンダード市場にある企業を丹念に調べます。プライム市場にも、業績や事業内容と比較して、かなり割安に放置されている企業がありますから。