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田端信太郎氏が「面接開始10分で欲しくなる人」の特徴を激白 面接官が口説きたくなる人は何が違うのか

 リクルート、LINE、ZOZO──。日本を代表する企業で要職を歴任し、常にビジネスの最前線を走り続けてきた田端信太郎氏。現在はアクティビスト個人投資家として新たな舞台でその手腕を発揮している田端氏に、転職を成功させるための極意から、独自の視点で企業価値を見抜く「田端流投資論」の本質まで、その思考の神髄を伺った。短期連載全3回の第2回。

目次

転職しないでずっと同じ会社にいる人は不幸なのか?

――ひとつの会社に長くいることと、転職することのメリット・デメリットをどう考えますか?

 転職しないといけないものでもないし、日々満足している短期的な満足、目の前での満足の積み重ねが結果として「30年同じ会社にいました」っていうふうになるんだったら全然いいと思います。

 だけど、長くいたからって満足できるようになるわけじゃない。だから、いずれにせよ転職しようと思えばできる能力っていうのは、持っておいて絶対損はないよね。

 言ってみれば引っ越しと一緒ですよ。引っ越せば幸せになれるというものでもないけど、絶対に引っ越せない人生っておかしいし、息苦しくないですか? 今いる家が気に入っているから結果的に一生ひとつの家に住んでました、っていうことなら、不幸ってこともないと思うけど。「引っ越したかったら引っ越せたんだけど、あえて自分が選んだ結果しなかった」っていうんだったら、別にそれでいいと思います。

面接官が口説きたくなる人はここが違う…田端流「面接必勝法」

ーー田端さんが面接官として印象に残っている候補者はいますか?

 それはたくさんいますよ。話している途中で、もう最初の10分、15分ぐらいで完全に「この人は欲しいな」ってなって、あとは逆にうちに入るとどんないいことがあるかっていう、口説きモードに切り替わるようなね。

 そういう人ほど、みんな入って欲しいと思うし、同時並行で色々進んでたりするから、うまい具合に「そっちにはないけど、こっちだったらこういう魅力があるよ」みたいなのをいい具合に匂わせるようにするとか。

ーーそういう人たちは、ほかの人たちとどこが違うんでしょうか。

 「迫力」が大事なんじゃないかな。自分の言葉で、自分の体験に基づいて、自分の考えを語れるかどうか。綺麗事じゃなくて、独自の原体験に裏付けられた話ができる人ですね。

 たとえば、「なぜZOZOで働きたいんですか?」と聞いたとします。そこで「EC市場はこれから伸びると思いまして…」なんて答えるヤツは、もうその時点でダメ。そんなの誰でも言えるじゃないですか。それこそChatGPTでも言える。

AI時代は「血の通った言葉で語れるか」が重要になる

――では、どういう答えなら響きますか?

 たとえば、「僕は田舎出身で、周りにオシャレな服屋もなくて、ずっとモテなかった。運動も苦手で、自信もなかった。お母さんがイオンで買ってきたような服ばかり着せられて、本当に自分が嫌だった。でもある日、ZOZOでイケてる服を買って着てみたら、自分に自信が持てて、初めて女の子に声をかける勇気が出たんです。服には、人生を変える力がある。その感動を、僕も誰かに届けたいんです」って言われたら、グッとくるでしょ。

――たしかに、リアリティと熱量が違いますね。

 そう。最初の動機は「モテたい」とか、そういう個人的な欲望でいいんですよ。でも、それを自分の原体験として、血の通った言葉で語れるか。その「身体性」とでも言うべき迫力があるかどうか。そういうものがない、借り物の言葉でしか語れない人間は、これからの時代、淘汰されていくだけなんじゃないかな。

田端氏、アクティビスト転身の知られざる理由を告白

――キャリア論から投資の話に移りますが、田端さんはここ数年でアクティビストとしての活動を本格化されています。何かきっかけがあったのでしょうか。

 YouTubeチャンネルが登録者10万人を超えたあたりで、正直、キャリア論ってネタ切れになってきたんですよ。結局、そういうのって最終的にはやるかやらないかの話で、正解はだいたい決まっているから。それで投資の話にシフトしたら、すごく反応が良かった。

 今の若い人たちって、良いか悪いかは別にして、「副業で稼ごう」「転職で年収を上げよう」という話よりも、「投資で儲けて資産を増やそう」という話のほうがリアリティを持って響くんですよね。ファクトとして、そちらのほうが圧倒的にウケがいい。それで完全に投資に振り切ったんです。

 そんな中で、オアシスっていうアクティビストファンドが花王に対して事業改善の提案を出しているのを見たんです。それが、昔のアクティビストのイメージみたいに「余剰資産を処分しろ」とかじゃなくて、「事業自体をこうすればもっと良くなる」っていう、すごく真っ当な提案だった。それを見て、「これ、俺でもできるな」って思ったんです。

――ご自身の知見が活かせると。

 そう。そうなると、資本力の大小だけじゃなくて、言っている中身の正しさや、それを世の中に伝える影響力が勝負になる。資本力はなくても、影響力なら俺にもある。これは十分に戦えるぞ、と。

メルカリを厳しく批判したワケ「誰が見てもおかしい」

――その最初のターゲットがメルカリだったわけですね。US事業の赤字について、厳しい提言をされていました。

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この記事の著者
田端信太郎

1975年10月生まれ。新卒で入社したNTTデータを経て、リクルートでフリーマガジン「R25」の立ち上げや広告営業の責任者を務める。2005年ライブドア入社12年、NHN Japan(現LINE)執行役員に就任し、広告事業部門を統括。14年、上級執行役員法人ビジネス担当に就任。18年3月からスタートトゥデイ(現ZOZO)コミュニケーションデザイン室の室長に就任し、19年12月に退職し、オンラインサロン「田端大学」の塾長としてビジネスインフルエンサーの育成や、複数のスタートアップを個人投資家や顧問の立場で支援している。Twitterのフォロワーは30万人。YouTubeチャンネルの登録者は10万人を超える。

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