しんちゃんはなぜ園長先生を「組長先生」と呼ぶのか…「NOコンプライアンス時代」のクレヨンしんちゃんを見てわかった24年越しの事実
地上波からNetflix、さらにはAbema、U-NEXTまで――。コンテンツが乱立する今、人を真に熱狂させるのは「面白い」の先にある「ヤバい」番組だ。1000人以上の剥き出しの人生を記録し続けてきた『街録ch』ディレクター・三谷三四郎が、エッジの効いた一作を独自のバイアスで読み解く。
連載「今、ヤバい番組」第8回は、国民的大人気アニメ『クレヨンしんちゃん』のあまり知られていない平成中期の「NOコンプライアンス時代」について。
目次
三谷三四郎、車を買う。
今回取り上げるのは、「クレヨンしんちゃん さらば!またずれ荘・またずれ大捜査線だゾ!」(2002年5月18日放送)。この回をなぜ今になって取り上げようと思ったのか、というかまずは、なぜこれを最近になって自分が目にしたのかを説明しよう。
我が家には5歳と2歳の娘がいて、昨年10月に引っ越しをした。その際、2歳の娘が入れる保育園が近所で見つからず、自転車で20分かかる場所に通うことになってしまった。送り迎えは妻と分担し、自分は取材のある火・木は送り、編集やその他諸々の事務処理をする月・水・金は迎えを担当している。
最初は「いい運動だ」と言い聞かせ、2人の子供を乗せて20分、坂道を登ったり下ったりを繰り返して通っていた。だが、冬の雨の日や風の強い日など、往復40分の送り迎えは泣きそうになるくらいしんどい。限界を迎えて、ついに車を購入した。
これによって雨風を防ぎつつ、音楽やDVDなどを流しながら快適に送り迎えができるようになった。うちの車にはDVDプレイヤーがついていて、最初は妻が買った英語学習用のDVDを毎回流していた。子供たちはこのDVDに出てくるキャラクターが好きで、もう10周以上は見ているだろう。
子供たちは全力で楽しんでいたが、運転中、耳で聞いているだけの自分はいい加減嫌気がさしてきてしまった。「DVDのラインナップを増やそう」とGEOに向かった。中古のレンタル落ちしたDVD販売コーナーに行くと、そこに『クレヨンしんちゃん傑作選』があった。「これなら子供の頃に見ていたし、自分も楽しめるな」と思い、軽い気持ちで購入した。そこで度肝を抜かれたのが、この「またずれ大捜査線」の回だった。