「庶民置き去り」のマンション価格高騰を仕掛けた犯人は誰か。文京区に集まる在留外国人、2年未満転売への重税、重要土地の拡大…投機マネーを止める“現実的な具体策”
東京の湾岸タワマンが1億8000万円に達するなど、一般庶民には到底手が届かなくなった現在の不動産市場。世論の不満は外国人や転売ヤー、デベロッパーへと向かい、国や自治体への規制要望が強まっている。しかし、仕組みを理解しない安易な市場介入は、平成バブル期のようにマーケットを破壊し、「失われた時代」を再来させかねない。不動産事業プロデューサーの牧野知弘氏が、国交省調査の盲点や政治の思惑を鋭く分析し、進むべき「規制の方向性」を私案とともに提言する。
みんかぶプレミアム連載「牧野知弘 不動産を斬る!」
目次
新築1億円超えの衝撃 庶民の手が届かない東京マンション市場
不動産価格高騰の話題が連日メディアやSNSを賑わせています。たしかに東京都区部の新築マンション価格は1億円を優に超え、一般庶民には到底手が届かない状況になっています。東京の湾岸エリアで人気のタワマンも戸当たり価格が1億8千万円などとなると世帯年収1500万円を超すパワーカップルであってももはや購入をあきらめざるを得ないのが実態です。
ここにきてその原因を「外国人が買い漁るせいだ!」「デベロッパー儲けすぎだろ」「転売ヤーがけしからん」など種々雑多な批判が飛び交いはじめています。そしてこの声は当然、国や自治体に届けられます。
不動産高騰へ高まる批判 懸念される「平成バブル期の過ち」の再来
平成バブルと呼ばれた1980年代後半から90年代前半の地価狂乱時代にもNHKが「地価は50%下げられる」という特集番組を流して批判の目を向け、こうした声を受けた国は地価税の創設、国土法による届け出義務、不動産融資総量規制などありとあらゆる規制を連発しました。結果は不動産価格の激しい下落を招き、大量の不良債権を発生させ、日本が失われた30年に落ち込むきっかけとなったことは皆さんすでにご存知の通りです。
古今東西、不動産に対する規制を効果的に成功させた事例は少ないです。不動産は社会生活を営むための基本的なインフラ。ところがその価格形成の仕組みを多くの政治家や役人が理解していないために、いたずらに「なんとか退治」のような対策を掲げてしまい、頓珍漢な規制によってマーケットに激烈な反応を引き起こし、思ったものとは全く異なる結果をもたらしてきたのがこれまでの国や自治体による規制なのです。