一回のイベントだけでぬいぐるみ売上200〜300万円。ぬいぐるみだけで月商3万円から年商8桁までどうやって成長させたのか
前回のインタビューでは、大手IT企業での勤務の傍ら、副業としてぬいぐるみ作家としての第一歩を踏み出し、月20万円の売上を達成して独立するまでの軌跡を伺った。第2回となる今回は、趣味や副業の延長と捉えられがちなハンドメイドの世界において、いかにして「年商1000万円前後」もの事業規模へと成長させたのか、その具体的な戦略に迫る。
外部の裁縫サービスを活用した効率的な生産体制の構築から、SNSや動画を駆使したファン獲得、1回で数百万円を売り上げるリアルイベントへの出店戦略、そして手痛いクレームから学んだ顧客体験(CX)の重要性まで。個人が在宅でビジネスを展開し、長く稼ぎ続けるための実践的なアプローチと、それを支える驚くほど規律正しい日々のルーティンについて、詳細に語っていただいた。
みんかぶプレミアム連載「在宅副業、在宅ワークで稼ぐ術」
目次
朝5時起き、仕事前のウォーキング、昇降式デスク。在宅ワークを長く続けるための「健康ルーティン」
在宅ワークや副業からスタートしたビジネスは、オンとオフの切り替えやモチベーションの維持が難しいと言われがちですが、ルーティンを決めた上で、状況によって柔軟に制作時間を変更することでモチベーションを維持しています。
朝は子供が起きる5時に一緒に起床します。6時から8時までは、朝食の準備や子供の着替え、保育園の送り出しなどの育児に充てます。その後、自宅にあるウォーキングマシンで少し運動をして身体を動かしてから、午前9時から10時の間に仕事をスタートします。13時半頃に休憩を取り、16時になると仕事の手を止めて、自宅の片付けや夕飯の支度を始めます。そして17時に保育園へ子供を迎えに行き、18時に夕飯、19〜20時にお風呂や子供と遊ぶ時間を過ごし、21時半には子供と一緒に就寝します。
イベント前などの繁忙期は、21時半に一度子供と一緒に寝た後、22時半頃に起きて深夜2時まで作業をすることもありますが、普段の実働時間は1日およそ6時間ほどです。
この在宅ワークというスタイルだからこそ、会社員時代には難しかった柔軟な育児対応や朝の時間を確保できています。さらに、作業環境の工夫として、Googleカレンダーでのスケジュール管理はもちろん、年間の目標やイベントごとのToDoリストは「Notion」で一元管理しています。また、長時間の座り作業で背中や肩を痛めないよう「昇降式デスク」を導入し、立ったり座ったりを切り替えながら作業しています。自宅での集中力を切らさないために、お昼ご飯は作業部屋とは別の部屋で食べるようにしました。
月3万円からの脱却。裁縫のクラウドソーシングサービスの活用と受注生産で構築した効率的な生産体制
月3万円からぬいぐるみ販売生活がスタートし、手縫いからミシンへと移行したことで少しずつ生産量を増やしていきましたが、事業の規模が拡大するにつれて、自分一人の手だけで作れる量には限界が見えてきました。現在は、1ヶ月におよそ60匹ほどのぬいぐるみを手がけていますが、すべてを一人で抱え込むのではなく、裁縫のクラウドソーシングサービスを活用して生産体制を効率化しています。
具体的には、ぬいぐるみのパーツなどの制作を、外部の信頼できる方にお願いしています。私が生地を選定して送り、制作のための詳細な図面や作り方の手順書を作成してお渡しし、縫製してもらった本体やパーツをこちらに送り返してもらうという流れです。こうして一部の工程を外注化することで、自分は企画や全体の仕上げ、クオリティコントロールに集中できるようになり、ビジネスとしての基盤を作ることができました。
また、一度にたくさんの注文が入るようになってからは、「受注生産方式」を軸に据えています。事前に在庫を作っておく分と、注文を受けてから作る分を組み合わせ、発送までに1〜2週間ほどの猶予期間をあらかじめお客様に提示しています。発送までの期間に余裕を持たせることで、過度な負担を負うことなく、着実に製品をお客様のもとへ届けられる体制を整えています。