子どもが“勝手に”伸びていく。塾なしで現役東大合格!「東大王」伊藤七海が感謝する母の教育

福井県の県立高校から塾に一切通わず東京大学に現役合格し、在学中からクイズ番組「東大王」にも出演していた伊藤七海氏。その学びを支えていたのは、母が一貫して守ってきたある方針だった。全4回の第4回。
みんかぶマガジン連載「天才たちの育ち方」
志望校が決まらなかった時に、担任が放った一言
塾に頼らず東大合格を果たした伊藤氏だが、そもそも東大を目指したのは、いつ、何がきっかけだったのか――。東大受験生のなかには、幼い頃から東大を意識するよう育てられる子も少なくない。だが伊藤七海氏が東大を意識し始めたのは、高校2年の担任との面談だった。
「志望校がまだ決まっていなかったんです。なんとなく大学に行けたらいいな、くらいの気持ちで。そしたら先生に『明確なものがないなら、東京大学と書いておいたら』と言われて。目指しておけば、やりたいことが見つかった時にちゃんと選べる場所になる、と」
夢や目標は口に出すべきとよく言われるが、伊藤氏にもその効果があったようだ。言われるがまま志望校欄に書いてみるところから始まった気持ちは、高3の東大模試を経て次第に現実味を帯びていく。普段受けていた進研模試では学年1位を取ることもあったが、東大模試の手応えはまるで違った。
「点数はあまり取れなかったんです。ただ先生に『この時点でこれだけ取れたらすごい』と言ってもらえて。それで少しずつ本気になっていって、高3の10月には東大に行きたいと思うようになっていました。
ただ、うちの学校だと東大は1年に1人いるかいないか、というレベルなんです。都心とか都内の進学校に比べると、そもそも選択肢として挙がりづらい。自分が行けるのかな、僕が行けるわけないみたいな気持ちの人は多いかもしれません。だから、先生に背中を押してもらえたのは大きかったですね」
周りに東大志望がほとんどいない環境だからこそ、この一言は大きかった。この担任の助言がなければ、志望校はまったく違っていたかもしれない。
この頃、勉強への向き合い方にも変化があった。高校2年で理系クラスに進むと、周囲に優秀な同級生が多く、それまでとは違う環境に置かれたという。
「それまでは人に教える側になることが多かったんですけど、理系クラスに入ると優秀な人たちがいて、分からないことを聞ける環境になって。教えてもらう、というマインドに変わっていきましたね」
それまで頼られる側だった伊藤氏にとって、これは新鮮な変化だった。分からないことを聞ける相手がいる環境は、そのまま伸びしろになった。