「ソニーの本命は『PS6』ではなかった」億り人ゲーム投資家が、絶好調銘柄をスルーして“任天堂とソニー”を仕込む理由
本稿で紹介している個別銘柄:カプコン(9697)、バンダイナムコホールディングス(7832)、任天堂(7974)、ソニー(6758)
2026年後半、ゲーム株の中で明暗がくっきり分かれている。カプコン(9697)やバンダイナムコホールディングス(7832)は、わずか1カ月半で10カ月分の下落を取り戻すほど急反発した。一方で、任天堂(7974)とソニー(6758)は、いまだ株価の戻りが鈍い。
普通なら、勢いよく上がっている銘柄に目が向くだろう。だが、元手300万円から資産1億円を築いた専業投資家のゆず氏は、むしろ逆を見る。
「今から高値圏の銘柄を追いかけるより、まだ市場に評価されていない2社のほうがおもしろい」
その本命が、任天堂とソニーだ。
一見すると、どちらもメモリ価格高騰などの逆風を受ける“出遅れ株”だ。ところが任天堂には、利益が大きく伸びる時期を読む「8年サイクル」があり、ソニーには、ゲーム会社というイメージを根底から変える「フィジカルAI」という成長シナリオがあるという。
なぜ、株価が冴えない今こそ買い場になり得るのか。任天堂とソニーが数年後に“化ける”と見る根拠を、ゆず氏に聞いた。インタビュー連載全2回の第1回。
任天堂、本当に儲かるのは「3年目」から
ーー以前、カプコンなどはすでに高値圏にあると伺いました。一方で、出遅れている任天堂の現状をどう見ていますか。
たしかに足元の任天堂は、次世代機への移行期ということもあり、明確な買い材料が乏しいように見えるかもしれません。メモリ価格高騰による採算悪化も重なり、株価はもたついています。
一般的には「悪材料が多くて手が出しづらい」と判断されますが、ゲーム株の歴史とビジネスモデルを深く理解していれば、今の状況が極めて自然な「準備期間」であることに気づくはずです。
ここで意識すべきなのが、任天堂の「サイクル」になります。
ーー「サイクル」ですか。ゲーム機の寿命や発売周期と関係しているのでしょうか。
その通りです。任天堂のハードウェアは、数年周期で世代交代を繰り返してきました。例えば『Nintendo Switch』が発売されたのは2017年で、後継機の『Nintendo Switch 2』は2025年に発売です。
この数年間の中で、彼らは明確にフェーズを分けてビジネスを展開しています。発売から1〜2年目は、とにかくハードウェア本体を普及させる期間です。この時期は『マリオカート』や『大乱闘スマッシュブラザーズ』のような、本体と一緒に長く売れ続ける定番ソフトを投入し、ユーザーの裾野を広げることに注力します。
そして本当に利益が爆発するのは、ハードが十分に普及しきった3年目以降なのです。