「AIは超優秀な1~2年目の部下」 株式投資でAIを使う際に知っておきたい注意点
生成AIが私たちの生活に定着しているが、株式投資の世界でも存在感を発揮しつつある。生成AIの普及は株式投資にどのような影響を与えるのだろうか。9月11日に著書『AIに9割まかせるほぼほったらかし株式投資』(KADOKAWA)をリリースした個人投資家・Go氏に、生成AIの得手不得手、さらには付き合い方などを聞いた。全4回の第3回。(聞き手・望月悠木)
みんかぶプレミアム連載「株式投資で億り人に」
完全な自動売買はほぼ不可能
――まずAIにすべてを任せて自動売買することは可能になるのでしょうか。
やはり自動売買は、どこまでいってもほぼ不可能だと思います。私自身、もともとプログラマーだったため、独自ロジックで全自動売買を試したり、過去の検証を何度も行ったりしてきました。しかし、「同じ基準ですべての相場に対応できるか」というと、時代もマクロ環境も違うため、まったく同じルールで通用することはほとんどありません。ルールも人間が決める必要があり、最終的な出口も人間が判断しなければならない。「入口と出口は人」というのが今の実感です。
――ハルシネーション(AIが事実ではない誤った情報や回答を出してしまう現象)が起こることも珍しくないため、完璧な存在とは言い難いのですね。
そうですね。「これはいつの数字なんだ」「そもそもこれは誰の決算資料なんだ」など、結構びっくりするくらい、全然違うデータを持ってくることも少なくありません。ですので、出てきた答えをそのまま鵜呑みにはせず、決算資料や株価の状況をある程度自分でも把握するようにしています。言い換えれば、「そんなに業績が良かったっけ?」といった違和感に気づけるかどうかが重要です。AIに全部任せきりにするのではなく、人間側にもある程度の知識と情報を持っていないと、AIに振り回されて大損するかもしれません。
――大前提ではありますが、そもそも株で負ける人の多くはどこに原因があると思いますか。
個人的には知識や情報の不足ではなく、負ける最大の原因は、結局「感情」だと考えています。「もっと上がると思って売れない」「下がるのが怖くて買えない」「SNSやニュースの情報に振り回される」「利益が出ると焦って売ってしまう」「損失が出ると塩漬けにしてしまう」など、こうした人間らしい弱さこそが、株で負ける本質的な原因ではないでしょうか。ですので、AIとうまく付き合えれば、こうした感情の揺れとはある程度距離が取れるため、迷わず、ブレずに判断できるようになる。そこにAIを使う一番の価値があると考えています。