FXで年2280万円の利益、翌年は4月までにマイナス1400万円 元パチプロが得意の手法を捨てた理由

株で一時2億7000万円を築き、全資金を失ったのちFXで再起したロジット原田氏。2022年から4年連続でプラス収支を保つ。銘柄選びで勝ってきた株と違い、FXは板も出来高もみえない世界だ。そこでなぜスキャルピングを選び、どこでつまずいたのか。全3回の第2回。
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株の勝ちパターンを封じた、FXならではの壁
板も歩み値もなく、主要通貨ペアは7つほど。株では1000銘柄から30銘柄を絞り込んで優位に立っていた原田氏にとって、FXは「いきなり土俵に上がって相撲を取っている」ような世界だった。得意の型も通用しなかった。
「株では、ブレイクで日足の陽線が3本続くような場面をガッツリ取るのが僕のスタイルでした。コツコツ負けて、ドカンと取る。ところがFXはレンジが多くて、全然できないんです。しかも持ち越すと、夜中や早朝にスプレッドが開いて逆指値に引っかかる。読みが外れたわけでもないのに刈られてしまう。一方で、当時の株の手数料と比べると、ドル円の0.2銭というスプレッドは、1日に何十回売買しても割に合うと思いました」
大きく伸ばせず、持ち越しもできない。ならば短く、回数で稼ぐ。実際にスキャルピングで稼ぐ配信者の存在にも背中を押され、2021年9月、原田氏はスキャルピングを極めると決める。得意としたのは、数秒で決済する「秒スキャ」だ。
爆益の直後に待っていた、まさかの事態
2022年9月、ドル円の値動きが大きくなり、収益が順調に伸びていた。その矢先に悲劇が襲う。
「メインで使っていた国内の口座が、凍結されてしまったんです。ただ、資金はちゃんと出金できたので、ほかの業者で続けることはできました。そのあとの為替介入では、下落に乗って爆益になりました。でも、1カ月ほどたつと、ほかの業者の口座も次々に凍結されて、得意な秒スキャができなくなったんです。条件に見合う業者を探すのも大変でした」
国内のFX業者には、数秒単位で売買を繰り返す取引を、規約で制限しているところが少なくない。秒スキャを主戦場とするトレーダーにとって、口座凍結は避けて通れないリスクだ。
11月からは、ドローダウンが始まる。それでも2022年の収支は、プラス2280万円で終えた。本当に苦しんだのは翌年だ。凍結を免れた口座では、秒スキャに見合う条件で取引できなかった。
「秒スキャはスプレッドとの戦いなんです。0.2銭で安定して取引できるかどうかで、年間の収支が何千万円も変わってしまう。それができないなら、もう秒スキャは捨てるしかありませんでした」
2023年1月から4月中旬にかけての損益は、マイナス1400万円に膨らんだ。手法の優位性は、業者の取引条件の上に成り立っている。その土台が崩れれば、腕があっても勝てなくなる。