「専業主婦をやるしかない」にしないために。福田恵里が考える“選べる人生”のつくり方
仕事と家庭は、どちらかを諦めるしかないのか。キャリアと家庭を天秤にかけて足踏みしてしまう女性は少なくない。2人の子どもを育てながら経営を続ける福田恵里氏がたどり着いたのは、いつでも選べる状態を自分でつくっておくことだった。その考え方の中身を聞いた。全4回の最終回。
みんかぶマガジン連載「女性社長のワーク・ライフルール」
「社長・母・妻」を一度降ろすための、お金と時間の使い方
夫婦ともに経営者という家庭で、家事はどう回しているのか。方針ははっきりしている。
「家事系は基本的にIoT家電に投資をして、ロボット掃除機なり食洗機なりドラム式乾燥機なりで、自分たちが家事をする時間をいかに減らせるかを工夫してやっています」
時間を買うという発想である。共働き世帯では、家電への数十万円の支出が、その後何年分の可処分時間に変わる。
「ピラティスにも通っています。社長とか母とか妻とか、いろんな肩書きからいったん離れ、自分に向き合うための時間になっています」
家電で家事の時間を減らし、自分に戻る時間をつくる。福田氏の出費は、どれも時間に向いている。最近買ってよかったものとして挙げたのも、やはり時間にまつわる道具だった。
「最近買って良かったのがスマートグラスです。スマホを出すとなると、撮りたい瞬間が終わっていたりするんですけど、これはつけっぱなしなので、今撮りたいという瞬間を逃さずに撮れる。子どもが抱っこしてと寄ってくるのを、親目線で撮れたりするんです。私が見下ろしている目線で、子どもが上を向いて喋っている。今は日常なんですけど、5年後、10年後に見たら泣いちゃうんだろうなと思いながら」
忙しさの中で最初にこぼれ落ちるのは、こうした何気ない一瞬だ。その時間を残すことに、福田氏はお金を使っている。
キャリアか家庭か。「どちらかしかない」にしないための備え
キャリアと家庭のはざまで迷う人に何を伝えるか。福田氏の答えは、意志の強さでも覚悟でもなく、選択肢という言葉だった。
「選択肢を持てる自分であるというのは、すごく大事だなと思っていて。自分一人ではどうにもならないことが発生したときに、選択肢を持っていないと、仕方なくそうするしかないという選択になってしまう。
例えば親の介護で移住が決まったけれど、自分には働くスキルがないから、移住した先でパートをやるしかない。旦那さんの転勤が決まって、旦那さんの方が収入が多いから、自分は仕事を諦めて専業主婦をやるしかない。そうやって誰かに自分の人生を委ねてしまうのは、すごくもったいないなと思うんです」
つまり稼ぐ力を保つことは、人生の選択肢を自分の手元に残しておくための保険なのだ。ライフイベントは選べない。選べるのは、それが起きたときに手元に何枚のカードがあるかだけである。
ただし、カードを持っているだけでは足りないという。仕事を頑張る女性にスキル以外で必要なものは何か。