どん底「豆腐メンタル」な私が強い心を手に入れて、資産5億以上稼ぐまで

 「投資の結果は “メンタル” でがらりと変わります」と語るのは、脳科学者で登録者数約20万人の投資系YouTuberとしても活躍する上岡正明さん。長期にわたって勝ち続けている「トップ3%」の勝ち組投資家に共通するメンタルを研究し、投資歴23年で資産5億円超えを達成。テクニカル分析やファンダメンタルズ分析以上に重要で、誰でも手に入れることができる「株メンタル」とは――。(第1回/全4回)

※本記事は、上岡正明著『株メンタル: トップ3%投資家の最強ソリューション』(東洋経済新報社)より抜粋・再編集したものです。

第2回:株セミナーにくる一流投資家と三流投資家の違い…残念すぎる勘違いとは
第3回:資産5億男の「損切り上手」になれる心のコントロール方法…どんな暴落でも焦らない!
第4回:なぜ10代で投資を始めた天才バフェットが60代でやっと資産を爆上げできたのか

株式投資は、経験と訓練を積めば「誰でも勝てる心理ゲーム」

 トップ3%投資家のルールの1つは、ひたすら経験を積み上げて、急落や暴落だけでなく、上げ相場においても自身の心理状態をコントロールできるように訓練を積むことです。ここで大切なのは、暴落だけでなく、暴騰の際のメンタルコントロールも重要だという点です。

 普通、急落などが起こると、人は慌ててしまい、恐怖に支配されて思考停止に陥りがちです。場合によっては投げ売りをしてしまったり、苦痛から逃れるために早々に損切りしてしまう、といったことも起こります。

 本来なら、暴落や急落こそ自分と向き合い、しっかりとメンタルコントロールしながら冷静に投資判断することが求められます。

「なんだ、暴騰しているのだからいいんじゃないか?」

「株価の調子が良いときぐらい、気分良くさせてよ」

 そうした読者の声が聞こえてきそうです。ただ、実はそうしたタイミングこそ、失敗の始まりなのです。

 私の考えをストレートに伝えると、基本的に、株式投資はエントリータイミングさえ間違えなければ「誰でも勝てる心理ゲーム」です。

 倒産するような銘柄を除外すれば、ほとんどの銘柄は振り子のように上昇トレンドや下落トレンドを繰り返しています。その振り子の一番端、つまり最安値を見極めてエントリーすれば、たとえ下落トレンドの最中でも利益を積み上げることはできます(ただ、下落トレンドでの逆行高を取るのはプロでも難しいスキルですが)。

 つまり、株式投資では、エントリーポイントが一番大切になります。

ビギナー投資家が陥る、欲望と恐怖に支配される悪循環

 暴騰や連続した株価の値上がりは、自分の心も興奮状態になりがちです。あなたの心は目まぐるしく変わり続けて、これまでのような恐怖や迷いではなく、今度は欲望に支配されてしまうことでしょう。

 株価が暴騰している際には、気が焦ってしまったり、早く買わないと儲け損なう、といった感情に支配されがちになります。とくに自分が狙っていた銘柄が急上昇していると、置いていかれまいと気ばかり焦ってしまいます。

 株式投資のビギナーの方なら、急に心臓の鼓動が速くなったり、全身の血流がドクドクと速まったりした経験があるでしょう。私も20年前はビギナー投資家だったので、その心情がよくわかります。これが先程の恐怖の真逆―いわゆる欲望に支配された状態です。

 他方、ここでいう恐怖というのは、そもそもエントリーポイントを間違えた銘柄を持っているからこそ、起こる現象です。ポジションがゼロであったり、現金保有率を高めた状態であれば、むしろ暴落はチャンスに見えます。

 つまり、卵が先か鶏が先かの原理になりますが、欲望に支配された暴騰で正しく自分の心をコントロールできていない状態は、次の恐怖を生み出す元にもなる、と考えられます。

 こう考えると、いかに自分をコントロールすることが大切なのか理解できるでしょうか。

有名ブロガーおすすめ銘柄を購入「楽して稼ごう」は絶対NG

 続いてのルールは「投資家の行動心理を理解する」です。とくに株式投資において「失敗する人の心理と行動パターン」を知ることです。

 なぜ大半の投資家が稼いだ利益を維持できないのかといえば、すごくシンプルに説明すると「心が欲や恐怖に支配されて、本来やらなければならないことをしないから」となります。

 結果、稼いだお金を失ってしまうわけです。

 投資は「やると決めたことをルーティン化」して、流れ作業のように淡々と実行するのが重要です。

「今、この銘柄が掲示板で盛り上がっているから買っておこう」

「有名なブロガーが勧めていたから現金がないけど信用で買おう」

などといったノリで取引していると、必ず大きく資産を失います。

 要するに、ノリや雰囲気ではなく、自分の得意な行動パターンを持つことが重要なのです。それをきちんと理解して、決めた手法をルーティン化させていきます。たとえば、もし決算書を読むのがうまい人であれば、決算期に集中してトレードをするといった具合です。

 自分のスタイルを確立したらブレずに続けるという、当たり前のことをやる。そんな心構えを学んでほしいと思います。これと同じように、「めんどくさいことをせずに、楽して儲けたい」という願望は、多くの投資家が持っているマインドです。

 でも、情報収集をはじめ、面倒なことをしないと勝つことが難しいのが現実です。

 巷にあふれる『楽して稼ごう』というのは勝つためとは真逆の行為です。甘言に心を惑わされず、自分と向き合いながら、そうしたマインドの基本の部分も手に入れていってください。

 株に熱中している方ほど、実は失敗する行動パターンにはまってしまっているのではないかと思います。株価の動きによって人はどのような心理になり、どういう行動をしてしまうのか。次章では、投資で損する人の心理的な特徴を紹介します。

 これらを熟知すれば、負け組投資家と一線を画すことができます。

パッと判断+ロジカルに熟考。勝ち組投資家に共通する思考法

 勝ち組投資家は、恐怖や欲望が生み出す投資家の心理的な弱点をどのように克服しているのでしょうか。ここでは、20万人を調査して見えてきた勝ち組投資家の思考法を紹介したいと思います。

 私たちは2つの判断思考で物事を捉え、分析していると言われています。「直観型思考」と「論理型思考」です。

 直観型思考は「直列型思考」とも呼ばれ、過去の経験に基づいて、見たまま感じたままに「パッと判断する思考法」です。すぐに反応できる反面、恐怖や欲望といった感情のノイズに弱いのが特徴です。

 元々アフリカのサバンナで生まれた私たちの先祖は、一瞬の判断が生死を分けるような日常で必死にサバイバルしていました。急に空や岩陰から襲い来る天敵との遭遇や、敵の襲撃などから身を護るため、人間が進化の過程で得た思考法、それが直観型思考なのです。

 ただ、私たちは進化の過程でもう1つの思考システムも手に入れています。それが「並列型思考」とも呼ばれる論理型思考です。

 これは、わかりやすく説明すると、積み木のブロックを積み上げるように考える「演算的思考法」です。タテヨコを組み合わせて考えるため、直観型よりも時間がかかります。一方で熟考することで選択肢の幅が広がったり、点だけでなく面としてロジカルな答えが出せるようになります。

株式投資はいつもの脳の使い方と「逆」をすればいい

 私たちは、このように意識せずとも2つの思考型システムを持ち、うまく組み合わせて、色々な判断を下しています。私の経験から言えるのは、なかでも株式投資では、直観型思考でしっかり結論に導いたあと、論理型思考ではどうかと、きちんと時間をかけて振り返ったほうが良い結果になるようです。

 これは、日頃の人間らしい生活とは、真逆の脳の使い方になります。しかしながら、冒頭からお伝えしてきたとおり、株式投資は大衆心理の逆をいくほど勝ちやすくなるのです。

 直観に従う大勢の人と同じ思考パターンや行動をしていては、勝つことは難しいと言わざるをえません。論理型思考できちんと結論を熟慮することで、投資にありがちな落とし穴、行動ファイナンスの揺れ幅を抑えることができます。

 みずからの思考の癖を知ることで、弱点を克服する機会も手に入るでしょう。投資には心理的な落とし穴がある。その弱点を克服するために、2種類の思考システムを武器として最大限に利用する――こうしたことを知っているかどうかが、今後、大きな差を生み出します。

 そのためにも、次の記事で解説する行動経済学や行動ファイナンスの各要素や特徴を把握しておくことが大事なわけです。

イラスト:ひえじまゆりこ

上岡正明著『株メンタル: トップ3%投資家の最強ソリューション』(東洋経済新報社)
この記事の著者
上岡正明

株式会社フロンティアコンサルティング代表取締役社長、投資系YouTuber。 1975年生まれ。放送作家・脚本家を経て、広報PRのコンサルティング会社を設立し、独立。大手企業のブランド構築、政府観光局の国際観光誘致イベントやPRなどを行う。個人投資家として、23年間で5億円の資産を形成。約20万人のチャンネル登録者を誇る投資系YouTuberでもある。著書に『勝てる投資家は、「これ」しかやらない』(PHP研究所)、『うねりチャート底値買い投資術』(ダイヤモンド社)など多数。

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