資産8億円超え元消防士投資家「投資に明確な戦略はいりません。必要なのは….」2025年版分散投資の極意、全部バラしちゃいました

本稿で紹介している個別銘柄:中央紙器(3952)、ジーエフシー(7559)、ギガプライズ(3830)、イオンモール(8905)、イオンディライト(9787)
2025年、米国のトランプ新政権が打ちだす経済政策や中国の景気浮揚策の行方、欧州のエネルギー危機への対応が、日経平均やNYダウに不穏な影を落とし、世界中で不透明感が漂っている。
そうした目まぐるしい相場を乗り切るには、やはり戦略的な目線と確かな情報が鍵を握る。果たしてこの波乱相場の中で資産を守り、増やす方法とは…?
今回は、40年以上の投資歴を持つかんち@握力おじさん氏(X:@kanti990)が、2025年の投資戦略を立てる上で欠かせないポイントについて、政治と市場の動向を交えて紐解いていく。
みんかぶプレミアム特集「波乱相場を制する。2025年版、ガチホで守り抜く投資戦略」全3回の第1回ーー。
(2025年3月10日取材)
目次
2024年後半から、TOBが例年の数倍に急増
――まずは2025年の投資戦略をお聞きする前に、2024年の株式相場をどう振り返りますか?
そうですね、2024年後半から感じていることですが、TOB(株式公開買い付け)が予想以上に増えてきている印象です。バリュー株の中でも、東証の上場基準をクリアできない銘柄が市場から次々と退場している流れが目立ちますね。
――その背景には、やはり東証のPBR1倍割れ是正の動きが大きく影響しているのでしょうか?
もちろん、それが主因の一つでしょう。ただ、それだけじゃないんです。親会社の戦略的な都合や、子会社が吸収合併されて結果的にTOBにいたるケース、さらにはプライム市場の基準を維持するための動きなど、理由は多岐にわたると思っています。
例えば、イオンの子会社であるイオンモール(8905)とイオンディライト(9787)は、しっかり利益を上げていたにもかかわらず、2025年2月28日からTOBが実施され、成立すれば上場廃止になります。
同じく、名証上場の中央紙器工業(3952)も好業績だったんですが、ニッコンHD(9072)が2025年2月3日からTOBを仕掛けてきたのも印象的でしたね。
――例年と比べて、TOBの件数にどれくらいの変化がありますか?
私が保有する約600銘柄の中での話ですが、普段なら年間で1〜2件程度なんです。それが、2025年が始まってわずか2カ月で、すでに5件(※)も発生しています。明らかにペースが違いますよ。
※中央紙器(3952)、ジーエフシー(7559)、ギガプライズ(3830)、イオンモール(8905)、イオンディライト(9787)
――現段階で、もう年間の件数を超えているとは…。
そうなんです。この先どうなるかは正直読めませんが、東証が資本効率や収益性の向上を強く求め続ける限り、TOBの波はさらに勢いを増すでしょうね。投資家としては、この流れをどう見極めるかが鍵になってくるかと。
――ちなみに、TOBされた保有銘柄は今どうなっていますか?
結局、売却せざるを得なかったので、その資金を新しい銘柄に振り向けたり、既存の保有銘柄に追加投資したりしました。中には主力銘柄もあったので、結構大きな資金の移動になりましたね。
投資に目標や戦略は不要? 2025年の勝ち筋とは
――これまでの話を受けて、2025年の投資戦略についてお聞かせください。