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自社株購入→資産3億円超を築いたベテラン投資家が教える「三分割逆張りルール」

(c) AdobeStock

 1991年4月、新卒で入社した会社の自社株を購入したところから投資人生がスタートし、3億2,500万円の資産を築き上げた前田嘉一(まえだよしかず)氏。

 バブル崩壊、ITバブル崩壊、リーマン・ショック、コロナショック、そしてトランプショックと、幾度もの暴落を生き抜いてきたベテラン個人投資家です。

 今回は、ベテラン投資家が徹底しているマイルールについて伺いました。インタビュー連載全2回の最終回。

目次

割高な相場では現金100%を勧める理由

ーー現金で持っていることがリスクと言われる中、それでも初心者は割高の株を買って高値掴みをしてしまいます。アドバイスはありますか。

 株を持つというのは同時に上がる期待感や下がる恐怖を感じます。そのため、現金を持っていることと割高な株を持っているリスクを比べたら、私は100%現金を持っていることをお勧めします。現金を握りしめて、割高な株が下がるのを待つ。

 この「待てる」というのが、本当に個人投資家の最大の武器だと思います。米国の有名な投資家ウォーレン・バフェット氏が言うように、バッターボックスに立ってホームランボールが来るのを待つ。これが個人投資家の特権です。

 2025年、私も東京エレクトロンがストップ安になった時に買いましたし、同年にSCREENホールディングス、KOKUSAI ELECTRIC、キーエンスが決算で下がった時にも買いました。現金を握りしめて優良株が下がる時まで待っていれば、その時はきます。無理して買うことはありません。これがマイナスを避けるコツです。

ーー順張りで「高値更新を買う」投資家もいます。そういう人が陥りやすい罠は何ですか?

「浮足立たない」「調子に乗らない」ことです。調子に乗ってリーマン・ショック(2008年)で損して市場からいなくなった人を私は実際に見ています。

落ちるナイフを掴む勇気

ーー暴落の中で落ちていくナイフを掴むのは怖くありませんか?

 もちろん、怖すぎます。今でも怖いです。「買うべき」とわかっていても、実際にその場面が来た時には買えない。恐怖で買えません。

ーーでは、どうやって買うんですか。

 初めから「この株がいくらになったら買う」というのを決めているんです。だから、銘柄を先に選択することにかなりの時間を割いて、下がった時になるまで待って買うということをやっています。指値を入れて機械的に買わなければ、下がる時には買えないんですよね。

 35年やっても、淡々と成行では買えません。私と同じような人は、ルールを予め決めて感情を排除して買っていきましょう。

 私は、株を買った時、「買ってしまったな」「やってしまったな」という後悔ばかりしていますが、結果的には上がっています。

購入方法は逆張りで、ナンピン

ーーまえださんの売買ルールを具体的に教えてください。

 私のルールは、まず銘柄選定を確実に行うこと。ビジネスの構造、何で儲けているか、財務が健全かどうか、倒産リスクが高くないかを徹底的に見ます。

 購入方法は逆張りで、ナンピン(下落時に買い増す手法)をしていきます。安くなった時に買う方式です。周りが「売れ」「損切りしろ」と言っていてもマイルールだから買うのです。

 たとえば、株価が現在6,000円の銘柄があるとします。2年間のチャートを見て、一番底になっているのが5,000円だとしましょう。波打っている底値が5,000円。この5,000円を買い目標とします。2回目の買いは、そこから5%下がったところで購入。3回目の買いは、さらに5%下がったレートで購入です。

 また、損切りは5%下がったら行います。

 入口から出口までを全て決めること。長期投資の場合は売らないので売却ルールはありませんが、短期の場合は10%から20%上がったところで売却と決めています。

 これぐらい細かくルールを決めなければ、私は手が震えて売買できません。

ーー長期投資と短期投資、それぞれのルールや判断基準の違いを教えてください。

 短期投資の場合は10%の利益が出た時点で確実に利益を確定させ、もし3か月間価格が動かなければその時点で手仕舞いすることにしています。

 一方で、最初から長期保有と決めた銘柄に関しては、目先の値動きに惑わされることなく、そのまま持ち続けます。

 短期投資と長期投資の違いは、銘柄の過去の価格水準をどれだけ熟知しているかです。私が得意としているAIや半導体セクターにおいて、過去の安値を知っているからこそ「現在の水準は高すぎる」と客観的に判断できます。そういう熟知している銘柄については、すべて短期投資として割り切るようにしています。

 東京エレクトロンやTDKを長期保有していますが、ここにたとえばレーザーテックのような同セクターの銘柄をさらに加えるとなると、半導体関連の枠としてはすでに満たされているため、これ以上の長期保有は不要であるという判断になります。

 仮にそうした類似銘柄を買い付ける場合であっても、長期のポートフォリオには混ぜず、3か月で手仕舞いする短期運用の対象として厳格に区別しています。

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この記事の著者
前田 嘉一

前田嘉一(まえだよしかず/X:@okanehataraku)。2003年に個別株投資を始め、リーマンショックを乗り越えて資産2億円超を築き、2022年にFIRE達成。薄給と持株会の下落をきっかけにサラリーマン投資家へ転身。大暴落でも株を買い向かう胆力と、マイルールを守り抜く規律を持つ。

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