エアトレードは「百害あって一利なし」。20年間生き残ってきたトレーダーが語る、初心者の本当の始め方

トレードスタイルは「買い」のみ99.8%。銘柄選びの基準は業種でも会社の規模でもなく、「その日動いているかどうか」だけ。
20年間相場で生き残ってきたRょーへー氏は、これからデイトレードを始めようとしている人に「エアトレードから始めるのは100%意味がない」と断言する。その根拠と、本当の始め方を伺った。全4回の第2回。
みんかぶプレミアム連載「デイトレード 最短で億り人を目指す!」第8回
目次
シミュレーションは「害」にしかならない。100円でも賭けた方がマシな理由
デイトレードを始めようとしている人間に対して、Rょーへー氏はまず「考え直した方がいい」と伝えるという。9割が退場する世界だと知っているからこそ、安易に勧めることはできない。ただ、それでもやりたいという人は必ずいる。その場合、よく言われる「エアトレードから始める」という方法については、完全否定派だ。
理由は2つある。まずメンタルの問題。実際の資金がかかっているのとかかっていないのとでは、心にかかる負担が根本から違う。競馬に100円でも賭けるのと、ただ見ているのとでは、レースへの没入感や思考の深さが別物になるのと同じ原理だ。もう一つは構造上の問題だ。現在の株式市場にはアルゴリズム取引が大量に入っている。
「買い注文を入れると1ティック上に割り込まれて、逃げようと売りを入れると今度は1ティック下に先に入られる。エアトレードってシミュレーションだから、よしここで買ったと思おうってやるじゃないですか。でも実際にそこで買いを入れたら、アルゴに邪魔されて買えない可能性の方が高いんです。
エアトレで勝てるようになったと感じてから実際にやっても、一発で負けると思う。むしろ害があるとすら思っています。アルゴの存在に気づくのも、本物のお金を入れて注文を出し始めてからですし、実戦でしか学べないことが多すぎるんです」
「売り」に手を出した瞬間、往復ビンタが待っている
現在のRょーへー氏のトレードスタイルは「買いのみで勝負」だ。売りから入ることはほとんどない。
「上手い人は両方やるべきだと思っています。売りでも稼げるのはデイトレのメリットなので。でも自分の器的には、両方やろうとすると往復ビンタになる。失敗したときに熱くなり、買いでも売りでも損を積み重ねてしまうリスクがあると思い避けています」
また、買いと売りは性質そのものが違う。人気銘柄であれば「下がったら買いたい」と考える投資家は多いが、「上がったらすぐ売りたい」という人はそれほど多くない。上昇すれば握り続けるという行動パターンが市場には多く存在する。
「同じ感覚で売りの逆張りをやると、踏み上げられてしまうんですよ。これがすごく怖い。器用に両方やろうとしておかしくなるぐらいだったら、片方だけを極めていく方が、負けないやり方を突き詰める意味では合理的だと思っています。買いで安定しないから売りに手を出して、両方で負けるっていうのはよくあるパターンです」