「初心者が注意しておきたいのは…」板に滲む心理を読み解く、年1500万トレーダーの勝ちパターン

20歳から5年間、ほとんど勝てなかったデイトレーダーのこなつ氏は、今では年間1500万円を稼ぎ出す。長い低迷期から抜け出すきっかけになったのは、2023年に見つけた再現性の高い勝ちパターンだった。狙うのは、値動きが生まれたばかりの小型株。そこにはどんな法則性があったのか。全4回の第2回。
みんかぶプレミアム連載「デイトレード 最短で億り人を目指す」
目次
時価総額の低い「材料株」の初日を狙う理由
こなつ氏がたどり着いた勝ちパターンは、明確に条件が絞られている。時価総額が低い小型株で、グロース市場やスタンダード市場に上場する銘柄に業績や新製品などの好材料が出て、値動きが生まれたばかりの初日を狙うというものだ。
「この時は値動きがまだ煮詰まっていなかったり、複雑なアルゴがついていなかったりするので、素直な板の形になってくれるんですよね。時価総額が2桁の銘柄が多かったです」
「アルゴ」とは、あらかじめ設定された条件に従って自動で売買を繰り返すプログラム取引のことだ。国内外の機関投資家やヘッジファンドが主な担い手だが、近年は個人投資家向けの自動売買ツールも普及しつつある。値動きの荒い銘柄でも、こうした自動売買が入り込むと板の反応は複雑になり、読みにくくなる。逆に言えば、注目され始めたばかりの銘柄はアルゴの影響が薄く、人間の心理がそのまま反映されやすい。だからこそ「初日」に価値があるのだという。
初心者が注意しておきたいのは、大型株や値がさ株など流動性の高い銘柄ほど、こうしたアルゴの影響を強く受けやすいという点だ。アルゴ同士がぶつかり合う中で、思わぬ値動きに巻き込まれることもある。こなつ氏が値動きの生まれたばかりの小型株にあえてこだわるのも、こうした複雑な自動売買の影響が及びにくい場所を選んで戦っているからだといえる。
このパターンは、一人で黙々とチャートを眺めるだけで見つかったものではない。2023年から2024年にかけて、有名デイトレーダーに教えを乞い、板読みの基礎を学んだことが大きかったという。
「めちゃくちゃDMを送って、板の見方を教えてもらったんです。ちょうどnoteを出されていたので、毎日読んでいました。自分が感覚的に確かにわかる部分とわからない部分を分けて、これが通用するのはどこだろうと考えていった結果、ザラ場の小型株にたどり着いたという経緯があります」
教わった知識をそのまま鵜呑みにするのではなく、自分の感覚と照らし合わせながら適用範囲を絞り込んでいく。この地道な検証作業こそが、月10万円台だった利益を次の段階へ引き上げる土台になった。
初心者がハマる「板読み」の致命的な落とし穴
こなつ氏が重視するのが「板読み」だ。板とは、ある銘柄にどれだけの買い注文・売り注文がどの価格に並んでいるかを示す気配情報のことで、そこには投資家たちの思惑がそのまま滲み出るという。
「板読みができない人は、見てはいるけど分からないっていう人が多いと思うんです。大きい板を見て買ってみたけど、1日であっさりに抜かれてしまったっていう失敗はよく聞きますね」
例えば、ある価格帯に大きな買い注文がまとまって並んでいると、多くの投資家はそこを「下値の壁」と受け止め、安心して買いを入れてしまいがちだ。しかし、その注文は本当に約定させる意思があるとは限らない。他の投資家を誘い込むための「見せかけの板」の場合もあることを、初心者ほど忘れてはいけない。
こうした「壁」には、もう一つ注意すべき現象もある。価格がその水準まで下がってきたとき、壁のように見えていた注文があっさり売り崩され、そのまま下に突き抜けてしまう、いわゆる「抜かれる」というものだ。その水準を支えと見て買いを入れていた投資家は、これが起きると一気に含み損を抱えることになる。さらに一度抜かれた価格帯は、今度は逆に上値を抑える壁になることもある。
「銘柄群によって板の使い方ってだいぶ違うんです。純正な板読みができるのは、夜間の私設取引システムか、日中の小型株に材料が出た直後ぐらいだと思っていて。それ以外の銘柄は思惑や仕掛けが複雑に絡み合っているので、単純な板読みは通用しにくいですね」