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投資歴30年のベテラン投資家が教えるインフレ世界をサバイブする資産配分の鉄則

(c) AdobeStock

本稿で紹介している個別銘柄:NITTOH(1738)、UBE(4208)、クリーク・アンド・リバー社(4763)、イリソ電子工業(6908)

 日経平均が歴史的高値を更新する一方、多くの優良株が見捨てられたまま放置されています。

 今回は、投資歴30年のベテラン投資家・名古屋の長期投資家こと、なごちょうさんに、長期スパンで見て注目している銘柄などについて語っていただきました。インタビュー連載全3回の最終回。

目次

債券投資は圧倒的に不利

――本格的なインフレ時代へと突入した今、私たちが目指すべきポートフォリオの具体的な推奨配分(株、債券、現金のバランス)について、なごちょうさんの最適解を教えてください。

 まず、債券投資は圧倒的に不利でしょう。物価上昇を抑えるために金利が引き上げられれば、当然ながら後から発行される債券の方が高い金利に設定されます。そうなると、過去の低金利時代に発行され、自分がすでに保有している既存の債券の価値は市場で暴落し、損失を抱えることになるかもしれないからです。利回りが固定されている債券は、インフレのスピードには勝てないというのが私の意見です。

 したがって、株、不動産の土地、ゴールド・シルバーといった貴金属の実物資産を保有することは非常に合理的だと思います。

現金の保有率は?

――現金は何%ぐらい保持していますか?

 私自身は5%程度です。これでも「現金を多く寝かせすぎている、もったいないな」と感じていますが…。

――なごちょうさんは億超えの資産があるため、そこまで持っていない人が「資産5%の現金保有」と考えると、少ない気もします。

 私の投資仲間の中には大株主ランキングにも名を連ねる富豪でありながら、普段の銀行口座にはわずか50万円しか現金を置いていないという人もいます。大きな支払いや現金が必要なときだけ、持っている株をさっと売却して即座に現金化すれば良いというスタンスです。

 そのため、資産があれば現金がわずかでもなんとかなるのだと思います。

 さすがに50万円は少ないと感じますが、半年分ほどの支出金額分の預貯金があると、多少の下げでは狼狽しなくなると思います。

 AIバブルの裏で干上がる中小型株

――日経平均株価が歴史的な高値を付ける一方で、市場全体を反映するTOPIXは上値が重い印象です。この指数の乖離の背景には何があるのでしょうか。

 現在のTOPIXが最高値に届かず、イラン攻撃前の水準にとどまっているという事実こそが現在の相場が一部の半導体関連株に資金が集中する相場であることを物語っています。

 日経平均が半導体関連の急騰で押し上げられているのに対し、東証全銘柄を反映するTOPIXは、より日本経済の実態を反映しています。

 振り返れば、2月まではいわゆる高市トレードなどの思惑も重なって市場全体が非常に盛り上がり、TOPIXも勢いよく最高値を更新しにいくような「全員参加型相場」のような雰囲気がありました。しかし、そこへ中東情勢という冷や水が浴びせられ、一気に流れが止まってしまった形です。

 現在、多くの個人投資家が好むグロース株、特に小型の好業績銘柄が信じられないほど安値に放置されて冴えない展開を強いられているのは、市場の資金が完全にAI・半導体関連という巨大なブラックホールに吸い上げられているために他なりません。

 市場全体の需給が完全に偏っているため、最近では日経平均が大きく下落する日に限って、行き場を失った資金が回ってきてバリュー株や小型株が上昇するという奇妙な現象さえ起きています。生成AIや半導体株へ投資していない投資家たちのなかには、自嘲気味に「いっそのこと、日経平均が派手に下がってくれた方がいい」と言う人さえいるのが現状です。

 とはいえ、この歪みも永遠には続かないものです。生成AIの実需に対する妥当な評価や業績の裏付けが固まり、過熱感が一度リセットされれば、放置されていた優良株への資金は戻ってくると考えています。

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