100万円の着物が「月2000円のサブスク」に感じられる理由。お金持ちが実践する時間×お金の合理的な計算とは?
『お金持ちはケチだ』『お金は汚いもの』。こうした固定観念が、日本人のお金との向き合い方を長年縛ってきた。しかし実際に富を築いた人たちの行動を見ると、その実像はまったく異なる。節約家でも浪費家でもない--。では、彼らは何が違うのか。
ファイナンシャルプランナーの立川健悟氏も、こうした日本人のお金に対する固定観念を問い直す一人だ。不動産テック企業の営業職として富裕層の思考習慣を学び、自ら実践することで金融資産3億円超を達成。
本稿では、立川氏への取材をもとに、値段ではなく価値で判断する「価値思考」から、時間をお金で買う「時間投資」、生活水準と健康の最適化、人生100年時代のライフプランと出口戦略、そして日本人特有のお金への苦手意識の克服まで、豊かな人生を切り拓くためのヒントを紐解いていく。全5回の第2回。
みんかぶプレミアム連載「富裕層たちの黄金法則」
目次
「1日を24時間以上使う」富裕層の時間術
前回は、富裕層が「値段」ではなく「価値」でお金を使うという話をしました。しかしよく考えると、お金と同じくらい、いやそれ以上に大切なリソースがあります。それが「時間」です。
富裕層の中にこんなことを話してくれた方がいます。「私は1日を24時間以上使えている」と。秘書を雇い、全自動家電を取り入れ、移動はタクシーを使う。タクシーに乗るのは贅沢しているのではなく、「移動時間をお金で買い、その時間を別のことに充てている」のです。
時間を増やすコツは3つ。「放棄」「自動化」「委任」です。自分でやらなくていいことを手放し、自動化できるものは仕組みに任せ、残りは人に委ねる。そうして生まれた時間を、学びや趣味に充てる。お金で時間を買い、その時間でさらに価値を生み出す。これが富裕層の時間投資の基本構造です。
また、富裕層の方々にはスケジュールを意図的にあけておく習慣があります。予定を詰め込みすぎると、突然のチャンスが来たときに動けないからです。「あの人と食事の機会が生まれた」「突発的なビジネスの話が舞い込んだ」。こうしたチャンスは、余白のある人にしか掴めません。お金で時間を買うということは、未来のチャンスを受け取るための空間を作ることでもあります。
100万円の着物が「月2000円のサブスク」になった計算
時間とお金を長期的な視点で捉えると、一見高額に思える買い物の意味も変わってきます。これは私自身の話です。
書籍を出したことで著者仲間ができ、パーティーやイベントに呼ばれる機会が増えました。そこで銀座で着物を仕立てることにしたのです。セットで100万円近くかかりましたが、私はこう計算しました。「40年間着られるとしたら、年間約2万5000円。月に換算すればおよそ2000円のサブスクリプションだ」と。さらに着物を仕立てたことをSNSに投稿すると、多くの方から「どこで買ったの」「いくらするの」という会話が生まれました。イベントに着ていけば、初対面の方との話題にもなります。着物で国会議事堂見学へ行った際には、某大臣から「素敵ですね」とお声がけいただきました。単なる衣服の購入が、新たなコミュニケーションと長期的な人脈という「無形資産」を生み出したのです。