相場に乗り遅れた? 投資歴10年超の著名投資家がたどり着いた「勝てる人・勝てない人」の違い

本稿で紹介している個別銘柄:ムービン・ストラテジック・キャリア(421A)
一時7万2000円台をつけた日経平均株価ですが、「中身を見ると別にそんなに高くもない」と語る投資家がいます。
小型グロース株を主戦場に投資歴11年、株式勉強会の主宰者としても知られる個人投資家・キリンさんです。
欲しかったけれど上がってしまった銘柄やキリン流のスクリーニング方法について伺いました。インタビュー連載全2回の第1回。
投資歴11年の「夏の感覚」記録上、夏は難しい
ーー決算シーズンに入ります。投資歴11年の「夏の相場」の感覚をお聞かせください。
7月10日に安川電機の第1四半期決算が出て、いよいよ始まったなという感じですね。季節性というものを投資でそれほど意識してこなかったのですが、この質問を受けて記録を確認してみたんです。株を始めて3、4年目あたりから、月末時点の運用資産を日経平均などと併せて記録し続けているのですが、それを振り返ってみると、夏はあまり勝てていませんでした。※他の季節に大きく勝てているわけでもありません。
理由は分からないものの、日本にはお盆休みもあって相場自体が閑散とする時期がありますから、そういう影響もあるのかもしれません。
ーー夏に上がりやすい銘柄、毎年夏に注目しているセクターのようなものはありますか。
個人的にはありません。アノマリー的なものは「そんなものがいつまでも同じように続くのか」と疑ってしまう方なので、あまり気にしていなくて、それよりも第1四半期の決算の方がはるかに重要だと考えています。
季節要因の値動きの特徴をうまく捉えられれば実は面白いのかもしれませんが、それは得意な人がやればいい領域だと思います。
「信じられないほど安い銘柄が出てきている」
ーーキリンさんはもともと小型グロース株がメインです。「安い銘柄が増えてきた」という感覚はありますか。
最近は大型株優位の相場が継続してきたので、小型株をあまり見ていなかったのですが、今回の取材を機に、1日かけて四季報を改めて読み込みました。読んでみると信じられないほど安い銘柄も出てきていて、これならグロースにもそのうち資金が回ってきてもおかしくないと感じたのですが、一方で四季報の発売からすでに約1カ月が経っているために、「良さそうだ」と思った銘柄はこの1カ月ですでに上がってしまっているものも多くて、結局は自分の怠慢を嘆く結果となりました。
ーー「買いたかったけれど上がってしまった」という銘柄はありましたか。
新しいところでは、ムービン・ストラテジック・キャリア(421A)です。コンサルティング業界に特化した人材紹介の会社で、昨年10月に上場したばかりの12月決算企業なのですが、今回四季報で初めて知って、業績の伸びがかなり目についたので「これはまだ安いのでは」と思って株価を見てみると、すでに高値更新済みでした。四季報掲載時点の株価と比べて5割ほど上がっていたので、「きちんと見ておくべきだった」という典型です。やはり、四季報は毎回きちんと見なければいけないんですよね。