「お金が貯まったら投資」は絶対に一生貯まらない。元国税専門官が教える、お金が自然と増える「先取り投資」の仕組み化と、働き方別の新NISA・iDeCo戦略
「投資を始めたいけれど、毎月の生活費がいっぱいいっぱいで、貯金すらまともにできていない」――そんな悩みを抱える人は非常に多い。
前回の連載では、元国税専門官のマネーライター・小林氏に、億超えの資産を築く人々の「見栄を張らない堅実な支出管理」について伺った。今回は、その守りの姿勢から一歩踏み出し、具体的にどのように資産を「増やす仕組み」を作っていくべきか、その具体的なロードマップを徹底解説していただく。会社員とフリーランス、それぞれの立場に合わせた「新時代の投資戦略」の最適解とは。全4回の第2回。
みんかぶプレミアム連載「富裕層たちの黄金法則」
「お金が貯まったら投資する」を今すぐやめるべき理由
前回の記事では、私が国税職員時代に出会った「億超えの資産家」たちが、いかに支出をコントロールして生活水準を上げずに暮らしているかというお話をしました。しかし、この記事を読んでいる方の中には、「そんなことを言われても、そもそも毎月カツカツで投資に回すお金なんて1円もない」と感じた方もいるかもしれません。
そうした方に最初にお伝えしたいのは、「お金が貯まったら投資しよう」という考え方を、今すぐ捨てていただきたいということです。
人は、収入や自由に使えるお金が増えるほど、それに合わせて支出も増やしてしまいやすい傾向があります。 手取り収入が25万円ある人は、無意識のうちに「25万円使える」と考えて生活を設計してしまいます。その結果、月末にはお金が手元に残らず、「今月も投資に回せなかった」という悪循環を繰り返すのです。
この罠から抜け出すための唯一の方法が、投資分を最初から差し引く「先取り投資」の習慣です。まずは急な出費に備える生活防衛資金を確保し、無理のない金額を先取りで積み立てる仕組みを作ります。
具体的な方法は、毎月給料が入った瞬間に、まずは1万円を投資用口座に自動的に移してしまいます。そうすると、手元に残る使えるお金は24万円になり、私たちは不思議と「24万円の範囲で生活を収めよう」と工夫を始めます。そして我慢している感覚がほとんどないまま、自然とお金が貯まる体質へシフトできるのです。
お金が貯まるのを待つのではなく、先に投資の仕組みを作り、それに合わせて生活レベルを整えていく。これこそが、多くの成功した投資家たちも実践している、再現性の高いスタートの極意です。
「一攫千金」を狙うな。NISAのメリットを最大化する「長期・分散・積立」
投資を始めようとすると、どうしても「短期で一気に2倍、3倍に増やしたい」という誘惑に駆られがちです。レバレッジをかけた投資や、値動きの激しい商品に手を出したくなる気持ちも分かります。しかし、私はそのような一発逆転を狙う投資はおすすめしません。
私は、FXや株の短期トレードで大儲けした投資家の方々の取材も数多く経験してきましたが、彼らがお金を稼ぐ世界は、圧倒的な経験値が必要とされる極めてテクニカルな領域です。10回取引して9回負けても、残りの1回で取り戻すといった、精神的に追いつめられる戦いを素人が真似するのは非常にリスクが高いと言えます。
特に、新NISAを使って、そうしたハイリスクな短期取引を行うのはおすすめできません。