「金利上昇=不動産安」はもう古い! テンバガー投資家が狙う“財閥系デベロッパー株”の異常な勝算
本稿で紹介している個別銘柄:三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)、野村不動産ホールディングス(3231)、東急不動産ホールディングス(3289)
金利が上がれば、不動産価格や不動産株は下がるーー。投資の世界では、半ば常識のように語られてきた考え方だ。
しかし、独自の現場感覚を生かして資産を10倍にしてきたテンバガー投資家の伏見氏は、「教科書通りに考えるだけでは、今の不動産市場を見誤る」と指摘する。
金利上昇への警戒から大手デベロッパー株が売られる一方、都心の優良オフィスでは空きが少なく、賃料の上昇が続いている。なぜ、テレワークが定着した今も、企業は高い賃料を払って新しいオフィスを求めるのだろうか。
金利負担が増える前に家賃収入が伸びる「時間差」と、大手デベロッパー株を見るうえで欠かせない条件について伺った。インタビュー連載全3回の第1回。
ギャップが大きい大手デベロッパー
ーー前回の記事では、円安の限界点や政局不安によって、日経平均が大きく下落するリスクについて伺いました。相場の先行きが不透明ななか、投資家はどこに勝機を見いだせばよいのでしょうか。
投資のチャンスは、「世間の常識と現場の実態がズレている場所」にあります。今、そのギャップが大きいと感じているのが、不動産セクター、とりわけ大手デベロッパーの株です。
ーー日銀の利上げが意識されるなか、金利上昇は不動産業界にとって大きな逆風に思えます。セオリー通りなら「金利が上がれば不動産価格は下がる」となりますし、実際にデベロッパー株は売られ気味ですよね。
多くの投資家が、その考え方に沿ってデベロッパー株を売っています。しかし、少なくとも都心の優良オフィスや、賃料を引き上げられる物件の価格は、簡単には崩れていません。
現場で起きていることと、株式市場で織り込まれている懸念には、かなり大きなズレがあると感じます。
ーーなぜ、金利が上昇しても物件価格が下がらないのでしょうか。
理由のひとつは、家賃が上がっているからです。
物件を購入する側からすれば、借入金利が多少上昇しても、それを上回るペースで家賃収入が伸びるのであれば、投資する意味は残ります。
金利だけを見れば不動産には逆風ですが、賃料上昇まで含めて考えると、収益性が必ずしも悪化するとは限りません。
当然ながら、すべての不動産が値上がりしているわけではありません。立地が悪い物件や、賃料を上げられない古い建物は、金利上昇の影響を受けやすいでしょう。
一方、都心の一等地にあり、入居希望が多い優良物件では、賃料を引き上げられる余地があります。そこを区別せず、「金利が上がったから不動産は全部ダメだ」と判断すると、投資機会を見逃してしまいます。