テンバガーに必要なのは「鈍感力」個別株で資産10倍の投資家が初心者にTOPIXを勧めるワケ
独自の現場感覚と逆張りの視点で、資産を10倍に拡大させてきたテンバガー投資家の伏見氏。華々しい実績の裏には、買った株がすぐには上がらず、含み損を抱えながら耐え続けた泥臭い期間があるとか。
日経平均が乱高下し、多くの個人投資家が方向感を失うなか、本当に必要なのは、相場の底を正確に当てる力ではない。資産の減少に心を削られず、市場から退場しないための仕組みだ。
株価を見ないことと、投資先の変化を無視することは何が違うのだろうか。
個別株で資産を築いた伏見氏が、あえて初心者にインデックス投資を勧める理由とは。波乱相場を生き抜く「弱者の戦略」について話を伺った。インタビュー連載全3回の第2回。
「相場の底」は誰にもわからない
ーーこれまで、日経平均の下落リスクや大手デベロッパー株の投資妙味について伺いました。ただ、有望な銘柄でも、乱高下相場で買うのは勇気がいります。
大前提として、相場の底をピンポイントで当てることは誰にもできません。
私自身、後に株価が10倍になった銘柄を仕込んだ時期は、ウクライナ危機や急激なインフレへの懸念などで、市場全体が悲観に包まれていました。
結果だけを見れば「安値で買えてよかった」と思われるかもしれませんが、買った直後から上がったわけではありません。株価がさらに下がり、含み損を抱えた時期もありました。
ーー有望な銘柄を安く買えたと思っていても、そこからさらに下落すると不安になります。口座を開くたびに資産が減っていけば、「自分の判断は間違っていたのではないか」と考えてしまいます。
そこで耐えられず、狼狽売りをしてしまう個人投資家は少なくありません。
この苦しい期間を乗り越えるために有効なのが、株価を「見すぎないこと」です。毎日何度も口座を開き、短期的な値動きに一喜一憂するくらいなら、一度相場から距離を置く。いわば「気絶しておく」ような心構えです。
株を買えば、1年以内に必ず上がるわけではありません。企業が成長し、その価値が市場に評価されるまで、数年かかることもあります。長期投資は、すぐに結果が出なくても待ち続けるゲームでもあるんです。
見るべきは株価ではなく「買った理由」
ーーただ、口座を見ないまま放置すると、業績悪化などの重要な変化を見逃す恐れもありませんか。
もちろん、何も確認せずに放置してよいわけではありません。
見なくてよいのは、毎日の株価や含み損益です。一方、決算や事業環境、最初にその株を買った理由が崩れていないかは、定期的に確認する必要があります。
業績や企業価値に問題がないのに、相場全体の下落に巻き込まれて株価が下がっているだけなら、慌てて売る必要はないでしょう。
しかし、想定していた成長が止まったり、経営上の問題が発生したりしたのであれば、含み損でも投資判断を見直すべきです。
「株価を見ない」と「企業を見ない」は、まったく違います。