S&P500でも「30%下落」は覚悟すべき・・・資産3億円投資家が株高の今、あえて現金を増やすワケ
2026年、終わりの見えない円安と物価高、そして乱高下を繰り返す株式市場。相場の波乱を前に「とりあえず預金しておこう」と保守的になるか、逆に「乗り遅れないよう全額投資だ」と焦る個人投資家は多いかもしれない。
しかし、投資スクール『Financial Free College』代表講師で、自身も33歳で純資産3億円を築きFIREを達成した“ライオンじゅんさん”こと金盛潤一氏は、こうした両極端な行動に警鐘を鳴らす。
物価が上がり続ける世界において、現金を抱えたまま市場から離れることは自動的な資産の目減りを意味する一方、高値圏での一括投資も致命傷になりかねない。
激動の時代に、私たちはお金をどう守り、増やすべきなのか。金盛氏に、2026年下半期を見据えた大局的な資産防衛術と、相場から退場しないためのポートフォリオの作り方を伺った。インタビュー連載全3回の第1回。
「株は怖いから現金」が一番危ない時代
ーー円安と金利上昇が同時に進む環境は、一時的な動きに過ぎないのでしょうか。
コロナ禍以降の大規模な金融緩和や地政学リスクを背景に、世界的な物価上昇が続いています。これは一時的な現象ではなく、高金利・高インフレ時代が長く続く「新時代」に入ったと考えるのが自然です。
日本も長かったデフレを脱却し、確実に物価が上がり始めました。仮に日銀が利上げを進めても日米の金利差はそう簡単に埋まらないため、長期的な円安トレンドも継続する可能性が高いと見てよいでしょう。
ーー相場が不安定な時は、現金や預金だけでやり過ごすのが一番の安全策に思えます。
今の時代、それこそが最も危険な選択になります。仮にインフレ率が年4%で推移した場合、現在月30万円で済んでいる生活費は、20年後には約66万円まで膨れ上がる計算です。
現金の額面が変わらなくても、買えるモノの量は確実に減っていく。つまり、預金口座にお金を眠らせているだけで、購買力は自動的に奪われ続ける事態を招きます。
「株は怖いから現金で」と安心している人は、すでにインフレという目に見えない税金を払い続けていることに気づくべきです。
日本株はなぜ「マネーゲーム化」するのか
ーーインフレ対策として日本株の優位性が叫ばれていますが、米国株より有利ですか。
日本株特有の大きな魅力として、配当利回りが2〜3%ある大型株が、キャピタルゲイン(値上がり益)も同時に生み出している点が挙げられます。直近5年間のパフォーマンスは凄まじく、S&P500を上回る上昇を見せました。
時価総額の小ささを考慮すれば、上昇余地だけで言えば米国株よりも伸びしろがあり、長期的には日経平均が10万円を目指してもおかしくない状況になりつつあります。
ーー上昇余地がそれほど大きいのであれば、日本株への集中投資が最適解になりますか。
投資の助言を求められた場合、私は家族や友人に日経平均をメインで勧めることは絶対にしません。ボラティリティ(価格の変動幅)が大きすぎて、精神的に耐えられない人が多いためです。
日本株は海外投資家の資金に左右されやすく、急騰したかと思えば1ヶ月で数十パーセントも暴落するような、マネーゲームの側面を持っています。
「増えるから」と勧めた株が翌月に半値近くに急落すれば、普通の人は狼狽して手放してしまいます。お金が増えることと同じくらい、安心して保有し続けられる環境が重要です。