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韓国で止まらぬ「外貨流出」… 「サムライ債」増加で日本依存度とキャピタルフライトへの警戒高まる

コリアリスクが現実味…日本に頼る大韓民国

 景気減速が懸念される韓国の日本依存度が高まりを見せている。輸出が振るわない一方で輸入が増加し、貿易収支が過去最大の年間赤字を記録するなど苦境に立たされているためだ。米国の急速な利上げに追従して政策金利を引き上げる韓国では外貨準備高が急減しており、「コリアリスク」も現実味を帯びる。5年ぶりの保守政権を発足させた尹錫悦大統領は日本との関係改善を急いでいるが、韓国経済の悪化が日本市場に影響しかねないとの見方は消えない。

 5月に就任した尹大統領は、(就任前に)岸田文雄首相に代表団を派遣するなど前政権下で「戦後最悪」と言われるまで冷え込んだ日韓関係の改善に前向きな姿勢を示し、米国を含めた日米韓の枠組み強化を目指している。11月2日には自民党の麻生太郎副総裁が訪韓し、対話と協力を通じた両国関係の速やかな回復と発展のために努力すると尹大統領に応じた。

 こうした「雪解け」ムードとともに高まるのは、韓国の日本依存度だ。文在寅前大統領時代の関係悪化で途絶えた「サムライ債」の発行に韓国企業は目を光らせる。早速、10月21日には大手「新韓銀行」による300億円規模の発行が報じられており、韓国勢による日本での資金調達は復活の兆しを見せる。

 サムライ債とは、海外の政府や金融機関、外国企業などが日本国内で発行する円建て債券を指す。預貯金や日本の国債などと比べ金利が高い点が特徴で、円建てのため為替リスクがないことも日本の投資家にはメリットとなる。海外の発行体から見れば日本市場の安定性は魅力であり、低金利で巨額な資金を調達できる場として利用されている。韓国勢も30年ぶりに途絶えた2020年まで継続して発行してきた。

 各国の中央銀行が金融緩和策を採る時期は、自国での資金調達コストが低下するため、サムライ債の発行額は減少する。だが、足元ではインフレ退治を至上命題として金融引き締めに走る米国を中心に利上げ姿勢が目立つ。欧州の利上げスピードは和らぐものの、世界の市場環境は不安定といえ、債券を発行しにくい状況が続く。

9月に1ドル=1440ウォン台を記録し、13年半ぶりの最安値

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この記事の著者
佐藤健太

ライフプランのFP相談サービス『マネーセージ』(https://moneysage.jp)執行役員(CMO)。心理カウンセラー・デジタル×教育アナリスト。社会問題から政治・経済まで幅広いテーマでソーシャルリスニングも用いた分析を行い、各種コンサルティングも担う。様々なメディアでコラムニストとしても活躍している

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