石丸伸二、実は「NHKは好き」…斎藤兵庫県知事“パワハラ疑惑報道”は「まるで公開処刑」…“誰かの感想”が拡散される民法テレビの惨状

2024年は斎藤元彦兵庫県知事の報道であふれた年だった。パワハラが事実かどうかが確定していない段階で「パワハラ疑惑」報道をしていたマスメディア各社に対して、元安芸高田市長に石丸伸二氏は「あれは本当にひどかった。まるで公開処刑のようだった」と振り返る。
マスメディアの報道はいかにあるべきなのか。どのように改革すべきなのか。同氏に聞いたーー。みんかぶプレミアム特集「オールドメディア vs SNS」第9回。
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石丸伸二「マスメディアには目を覚ましてほしい」
ーーテレビや新聞の一部はこのままでは潰れてしまうかもしれません。ただ、マスメディアが無くなると民主主義の維持にも影響が出ると思います。どのようにすれば、健全なメディアを維持できるとお考えでしょうか?
石丸伸二(以下、同)
まず、健全なメディアが必要だということは大前提です。これがなければ、民主主義は成り立たないでしょう。ただし、ネットメディアだけでその役割を完全に代替するのは難しいと感じます。ネットメディアはやはり玉石混交で、マスメディアにしか担えない役割があります。その役割に早く気づいて、目を覚ましてほしいと思っています。
最近では、テレビが「今日のSNSの話題」といった具合にネットメディアの情報をこたつ記事的に拡散しているのをよく見かけますが、本当にしょうもないと思います。そんなものを、電波という貴重な資源を持つテレビ局がありがたがって扱ってる時点で、もう終わってるなと思います。
それよりも、テレビや新聞は、自分たちにしかできないリソースを必要とする仕事、例えば裏を取った信憑性の高い情報を視聴者に届けることに集中すべきです。ネットメディアではまだそれができていないので、マスメディアがその専売特許を生かせば、十分に生き残る余地があるはずです。
また、この問題はテレビ局や新聞社だけでなく、スポンサー企業や広告代理店の性質にも一因があると考えています。
マスメディアの「横並び意識」 こそが問題
ーー現在のテレビや新聞は、ジャーナリズムとして十分に機能していると思いますか?
全くダメだとは思いませんが、機能していないケースも時折見受けられます。市長時代にも感じましたが、日本特有の「周りの空気に流される」傾向がマスメディアにもあるように感じます。報道記者は、競争のリスクを恐れるあまり横並びになり、結果として全体的な質が低下してしまう傾向があると思います。
しかし、これは今に始まった話ではありません。例えば、太平洋戦争中は「軍部の暴走」などと教科書ではまとめられていますが、様々な文献を調べると、実際には、メディアが国民を煽っていたことがわかります。これは当時の権力構造や癒着が背景にありますが、本質的には、メディアが内包している「横並び意識」が原因の一つでもあります。
こうした歴史を振り返ると、これは現代特有の問題ではなく、メディアが抱える「長いものに巻かれる」意識によって起きうることだなと感じています。
兵庫県知事の「パワハラ疑惑」報道は本当にひどかった「まるで公開処刑だった」
ーー兵庫県知事選では、斎藤元彦知事のパワハラ疑惑が報じられましたが、結果的に「確証は得られず」と認定されました。それにもかかわらず、メディアが一斉に報じたことで、選挙に大きな影響を与えたように思います。このような選挙を見て、どのように感じられましたか?