AI関連株はいつまで上がる? 専門家が語る「AIバブル」の見極め方
AI関連株が上昇を続けているが、「この相場がどこで崩れるのか」ということが気が気ではない投資家は多い。この「AIバブル」とも呼べる状況に対し、どういったことに注視すれば良いのか。7月15日に発売された『AIバブル後の投資戦略 「真の分散投資」を求めて』(ダイヤモンド社)の著者で、ブルーモ証券株式会社代表・中村仁氏に、「AIバブル」における注目すべきポイント、さらには6月中旬に発表された日本銀行の利上げの影響など、幅広く話を聞いた。全4回の第2回。(聞き手・望月悠木)
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OpenAI上場は最重要ポイント
――今後投資家が注目すべきポイントはどこにありますか。
直接的には、データセンターを大量に持つ米国の大手IT企業各社が、設備にどれだけお金を投じ続けているかという点です。そして、その大元にあるのは、「投資したデータセンターが実際にどれだけ稼げているか」ということになります。それを最もリアルに映すのがOpenAIやAnthropicといった、AIを開発している企業自体の財務です。
この2社は以前から上場の可能性がささやかれていますが、もし上場すれば「どれだけ利益を出せているのか?」という中身が明らかになります。そこで「思ったほど費用に見合っていない」「実はあまり儲かっていない」という実態が見えてきた時、「この先も成長が続くのか?」という疑いが広がり、大手IT企業側の投資意欲も後退してしまう。銀行の取り付け騒ぎのように、不安が不安を呼ぶ連鎖が起きかねない。OpenAIなどの上場は、AI相場における最大のリスク要因の1つになりえます。
比較されるのはドットコムバブル
――現在のAIセクターの伸び方は、過去のどのような相場と似ていますか。
最も比較されるのは、1995年から2000年頃にかけての「ドットコムバブル」です。「新しいテクノロジーの登場に対する期待感で株価が上がりすぎた」という点が似ています。ちなみに、2008年のリーマンショックは金融のしくみに欠陥があったことで起きた危機、新型コロナは天災のようなもので、性質がまったく異なります。
今のAI相場を見る限り、リーマンショック時のように、借金を積み上げすぎているような状況はまだ見られません。米国の大手IT企業は実際にしっかり利益を上げており、その手元資金を投資に回している構図です。
――堅実かつ健全な状況が続いているように感じますね。
ただ、データセンターへの投資が、社債の発行や、銀行を介さない投資家からの借り入れといった、中身の見えにくいお金の集め方に頼る割合が高まれば、リスクの性質は変わってきます。仮に投資が行き詰まれば、お金を貸している金融機関や、そのさらに先にある保険会社にまで影響が広がる可能性も低くない。この点は継続して注視すべきです。