<インタビュー>GMOクリック証券の挑戦。“完全手数料ゼロ”で変わる投資の常識
新NISAのスタートやAIブーム、米国のトランプ大統領の動向など、投資家の関心を高めるトピックが多く、日本の株式市場は大きな活況を見せています。
そうした中でGMOクリック証券が今年8月に発表したのが、「株式取引手数料の完全無料化」です。(※電話注文による取引を除く)
これまでネット専業ならではの「安さ」と「使いやすさ」で業界をけん引してきた同社が挑むのは、投資のハードルをさらに下げる新たなステップ。
証券事業を統括する鈴木卓哉執行役員にその真意を聞くと、「初心者からベテランまで、気軽に投資に触れられる環境をつくる」という姿勢が見えてきました。

鈴木卓哉(すずき・たくや)
GMOクリック証券株式会社執行役員、GMO外貨株式会社代表取締役社長。
トランス・コスモスを経て2007年にサイバーエージェントFX(現GMO外貨)へ入社。
マーケティングやデリバティブ事業を中心にキャリアを重ね、2025年3月に代表取締役社長就任。
2025年9月からGMOクリック証券・証券事業部担当執行役員およびGMOフィナンシャルホールディングス・デザイン広告運用部(現マーケティング部長)。
目次
業界の流れを変える。“手数料完全無料化”の決断

──株式取引手数料の完全無料化について、背景と狙いをお聞かせください。
鈴木氏 新NISAの普及で新たに投資を始めた方が増えています。投資のハードルを下げ、より多くの方に市場に触れていただくためには、コスト面での負担軽減が不可欠です。当社は設立以来「どこよりも安くて使いやすい」を掲げており、その延長線上に今回の決断があります。
──他社との違いはどこにありますか。
鈴木氏 SBI証券さん、楽天証券さんに続いて当社は3社目になりますが、他社はコース選択などの条件を設けているのに対し、当社では口座をお持ちの方なら誰でも、現物株式・信用取引・投資信託のすべてが無条件で無料です。すべての投資家が平等に利用できる点が特徴です。

──投資家の反応はいかがですか。
鈴木氏 非常にポジティブですね。「思い切った決断」「安心して取引できる」といった声を多くいただいています。まだ口座開設数の伸びはこれからですが、FXやCFDの会社という印象が強かった当社にとって、株式分野で改めて存在を認知していただくきっかけになりました。
※本施策は電話注文による取引を除きます
ネット専業が生んだ強み。“スピード”と“低コスト”で進化を続ける
──ライバルの大手ネット証券が金融業界出身なのに対し、GMOクリック証券はインターネット大手グループが設立したネット証券として異彩を放っています。設立当初からの歩みと、現在の強みについて教えてください。
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鈴木氏 2005年の設立当初から「安くて使いやすい」を原点に掲げ、まだ手数料が高いのが常識だった時代に、ネット技術を活かして低コスト化を進めてきました。スマホが普及した2007年には専用アプリをいち早く開発し、投資家が直感的に使える環境を整備。結果として2012年にはFX取引高で世界1位を達成し、多くのお客様に支持をいただきました。※ Finance Magnates調べ
これを支えているのが、ネット専業ならではの「内製化」体制です。外注せず自社開発するからこそ余計なコストをかけずに済み、スピード感を持って改善できます。お客様の声を素早く反映できるのも大きな強みで、この姿勢が現在の当社の競争力につながっています。
──こうした強みは、今回の「手数料完全無料化」といったスピード感ある決断にもつながっているのでしょうか。
鈴木氏 まさにそうだと思います。金融業界の慣習にとらわれていれば、今回のような判断は難しかったかもしれません。私たちは常に「顧客目線で本当に必要なものは何か」を考えてきました。内製化によるスピード感もあって、安心や低コストを最優先にした施策を、先駆けて実行できたのだと思います。
どんな投資家にとっても使いやすいシンプルなサービスとは
──今回の施策は、GMOクリック証券がFXやCFDだけではなく、株式取引の分野でも改めてリーディングカンパニーを目指していくという意思表示と受け止めていいのでしょうか。
鈴木氏 その通りです。FXやCFDでは「どこよりも安くて使いやすい」という評価をいただき、国内トップクラスの地位を築くことができました。株式取引についても「使いやすさ」には自信を持っていますし、今回の手数料完全無料化によって「安さ」が加わりました。これで当社が設立当初から掲げてきた「どこよりも安くて使いやすいネット証券」という条件が、株式でも整ったと考えています。
──今後の課題はどのようにお考えですか。
鈴木氏 投資対象のレパートリーをどう増やしていくかだと思います。ただし、他社と違うのは「量を追求しない」という点です。たとえば国内で販売されている投資信託は約6000本あると言われますが、私たちはすべてをそろえるつもりはありません。むしろ、多くの投資家にとって本当に必要なファンドを厳選して提供する考えです。
取引ツールも同じです。不要な機能を詰め込むより、できるだけシンプルに。投資家が直感的に使える環境をつくることを優先しています。つまり「量」ではなく「質」を追求していく方針です。
──投資家の層が広がる中で、御社が目指す姿はどのようなものでしょうか。
鈴木氏 株式投資の世界にはいろいろなスタンスの方がいます。新NISAで投資を始めたばかりの初心者、長期で資産形成を考える方、短期売買を好む方、さらには株だけでなく複数の金融商品に資金を振り分ける熟練の方もいます。私たちが目指すのは、そうしたあらゆる投資家が満足できるネット証券です。

投資デビューから経験者まで。“安さ・使いやすさ・安心”の3本柱
──今回の手数料無料化によって、少額からでも複数の銘柄を試しやすくなり、投資家の選択肢は広がっていきそうです。
鈴木氏 「資産形成」というとハードルが高く感じられる方も多いと思います。ですが大切なのは、若いうちから「お金を動かす」経験を積むことです。損をすることも含めて、実際にやってみないと分からない学びがあります。だからこそ、まずは気軽に触れられる環境をつくることが重要だと考えています。
その意味で、私たちは口座開設のスピードや手続きの簡単さにもこだわってきました。不必要な項目を省略し、離脱率を分析して改善を続けています。こうした「始めやすさ」は他社に負けない強みだと自負しています。
──投資スタイルが多様化する中で、今後どのようなサービスの方向性を描いているのでしょうか。
鈴木氏 先ほどもお伝えしましたが、これからも“量より質”を重視し、投資信託は厳選して提供し、取引ツールもシンプルで直感的に使える環境を追求していきます。
こうした方向性を支える上で、AIの進化は大きな追い風になると考えています。開発や情報提供のスピードを加速し、ユーザー体験をさらに向上させるための手段として積極的に取り込んでいきたい。「安くて使いやすい」を守りつつ、新しい技術を柔軟に取り入れることで、誰にとっても安心して投資に挑戦できる環境を提供し続けたいと思います。
まとめ
設立から20年、GMOクリック証券は一貫して「安さ」と「使いやすさ」を追求し、ネット証券の歴史をけん引してきました。今回の「手数料ゼロ」は、その20年の歩みを踏まえたうえで、さらに個人投資家に安心を届けるための新たな挑戦です。あらゆる投資家が自分らしいスタイルで投資できる環境をどう提供していくか。GMOクリック証券の“原点回帰”は、これからのネット証券の進むべき道を示しているのかもしれません。
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GMOクリック証券株式会社
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