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年間配当240万円投資家「夏だからといってあえて動きを変えることはない」「約40%大幅下落した信越化学の行方」注目する9つの高配当銘柄

(c) AdobeStock

本稿で紹介している個別銘柄:三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、信越化学(4063)、トヨタ自動車(7203)、王子ホールディングス(3861)、東京海上ホールディングス(8766)、三菱商事(8058)、丸紅(8002)、太平洋セメント(5233)

 株式市場の売買高が大きく減少し、売り圧力が強くなる「夏」。この時期にインカムゲインに主軸を置く「配当株投資家」はどんな動きをしているのか。

 大型株の配当株を中心とした投資手法を確立し、最新刊『新NISAで始める!年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資』(クロスメディア・パブリッシング)が好評発売中の投資家の配当太郎氏に聞いた。みんかぶプレミアム特集「夏枯れ相場を勝ち抜く!一流投資家の投資術」第2回。

目次

焦って売ってしまうことが、もっとも悪手

ーー株式市場には「夏枯れ相場」と呼ばれるものがあります。配当株投資をメインでやられている配当太郎さんも、この「夏枯れ相場」を実感することはあるんでしょうか。

 機関投資家や海外投資家が夏季休暇に入るので、単純に株式市場への参加者が少なくなります。すると、売買が減り、そこで売り圧力が強まります。夏枯れ相場を実感することはありますが、正直、あまり意識はしていないです。買い需要がないときに売りをぶつけると株価を下げやすいので、そこを意識している機関投資家はいると思います。

ーー配当太郎さんが「夏枯れ相場」を意識しない理由は?

 短中期的に株式を売買している人なら気にしなくてはいけないかもしれません。しかし、配当株投資は株式を長期的に保有しながらインカムゲインを得る手法の投資です。売る必要のない銘柄の株価がどう動こうと別に関係ないんです。

ーー初心者は「夏枯れ相場」という言葉を知るとあえて気にしてしまうこともありそうです。初心者が夏に陥りやすい落とし穴はあるでしょうか。

「夏枯れ相場」は投資における格言のようなもので、それが起きるのか起きないのかはわかりません。そのうえで、株価が下落しているときには、その下落が「夏枯れ相場」によるものかもしれないと認識することです。そうすれば、保有している銘柄が大幅に下落したとしても「そういう時期だよね」と見過ごせる。何も知らずに焦って売ってしまうことが、もっとも悪手です。

ーー「夏枯れ相場」によって株価が下がった銘柄を買い増しするようなこともないんでしょうか。

 もちろん、保有している銘柄や注目している銘柄の株価が下がっていれば買い増しすることもあります。ただ、それは「夏枯れ相場」だから…というわけではない。今回で言えば「トランプ関税」によって必要以上に株価が下がっている銘柄もあります。アノマリー(長期間にわたり一定のパターンとして観測される株価の動き)を見て買い増すこともあります。それがたまたま夏に重なることもありますが、「夏だから」という理由で買い増ししているわけではないんです。

1年でもっとも注視している時期

ーー夏をとくに意識しないということですが、年間配当金200万円を目指す中で1年のうちにもっとも意識している時期はありますか。

 もちろん、来年度の見通しを発表する「本決済」がもっとも重要になります。あとは、第1~第3までそれぞれ気にするべきですが、「第1四半期」は説明資料がまだ充実していない企業が多いこともありますね。そう考えると、「中間期」がより大事になります。

ーー本決算やそれぞれ四半期ごとに企業は業績の見通しを発表しますが、どうしても「あくまで予想だよね?」と思ってしまいます。そこまで信用できるものなんでしょうか。

 企業の信用も人の信用も本質的には同じだと思っています。いつも嘘をついている人のことは信用できないですよね。普段の仕事でも時間を守るとか、期日守るとか、すべての積み重ねによって信用が生まれるじゃないですか。

 企業の業績も同じです。上場して10年、20年、30年、それ以上の積み重ねによって、業績の見通しに対する信頼度も決まってくると思うんです。「この企業はいつも強気な見通しを発表するけど結局8~9割の達成率で終わるよね」とか「この企業の見通しはいつも保守的だよね」とか。その点、新興企業の株式を買うときは慎重にならないといけないんです。

ーー上半期は第2次石破茂政権発足後の影響、ドナルド・トランプ氏の米大統領就任、日本銀行による政策金利の利上げなど、いくつか動きがありました。下半期で注目している動向はありますか。

 その3つに対する注目度は今でも変わりません。やはり「トランプ関税の着地点」がどうなるのか。参院選で自民党が負けた場合、石破政権はどうなるのか。日銀が政策金利を果たして「0.75%」まで上げるのか。トランプ政権による日本への「相互関税」の上乗せ分は、2025年4月9日から90日間一時停止されています。交渉がまとまらなければ、2025年7月9日以降に関税の上乗せが再開されるわけです。そうなると、為替も金利も株価もすべての見立てが変わってくるでしょう。

「良い動き」配当太郎氏が注目する9銘柄

ーー上記を踏まえ、配当株投資の観点から現在注目している銘柄はありますか。

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この記事の著者
配当太郎

投資家。学生時代に株式投資を始め、リーマンショックを経て、配当株投資に目覚める。大型株を中心に投資し、保有銘柄の9割は配当金が年々増える「増配銘柄」が占める。Twitterのフォロワーは15万人超。毎日、配当株投資に関する情報を発信している。初の著書『年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資』(クロスメディアパブリッシング)は7万部超え。第2弾を5月に発売予定。

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