「不動産投資で簡単に儲けられる」はもはや誤り!正しい資産形成のセオリーとは

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 不動産投資を活用して総資産37億円を築き上げ、YouTuber「不動産アニキ」としても活躍する小林大祐氏だが、「不動産投資によるキャピタルゲインもインカムゲインも簡単に得られるものではない」と話す。小林氏が語る、正しい不動産投資のやり方とは。全4回中の3回目。

※本稿は小林大祐著『2035年 増える富・消える富の見分け方 インフレ地獄を生き抜く資産戦略』(KADOKAWA)から抜粋、再構成したものです。

第1回:金利上昇は格差を拡大する…富裕層が“いつの時代でも選ぶ物”とは

第2回:地方の物件は価値があるうちに売れ!“負動産”はあなたの人生を詰ませる

第4回:「不動産投資で簡単に儲けられる」はもはや誤り!正しい資産形成のセオリーとは

目次

不動産投資で儲けられるのはほんの一握り

 不動産投資は平成の終わりごろからちょっとしたブームとなり、今や定着した感もあるが、その現実は厳しい。現実問題として不動産投資で本当に儲かっている人はほんの一握りだ。

 期待していた家賃収入は得られても、ローンの返済やさまざまなコストを払うと残るのは雀の涙あるいは赤字、だからといって売却すると、借入額に対して損が出るので売るに売れないという状況に陥っている人は少なくない。

 世の中で一般的にいわれている投資の利益は、大きく分けて2つある。キャピタルゲインとインカムゲインだ。

 キャピタルゲインとは、安く買って高く売却することで得る差益のことだ。これに対しインカムゲインは、株の配当や預貯金の利息のように、保有している間継続的に得られる利益のことだ。

 だが、少なくとも不動産投資の世界では、いずれも一般人が狙って簡単に得られるものではないということは、あまり知られていない。

 日本には数多くの不動産事業にまつわる企業がある。上場している大手企業では、年収1000万円クラスのエリート社員たちが、日々血眼になって、販売用の物件を探している。

 その活動は、10億円、20億円という莫大な機動的資金を用意して、「いい物件が出れば即現金化します」と地域の不動産会社をくまなく訪問し、それらを現金で安く仕入れている。

 そして、「簡単に儲かります」「自分年金を作りましょう」という美辞麗句を駆使して、ローンが組める「ハイスペックエリートサラリーマン」に高く売りつけようと、手ぐすね引いて待っているのだ。

 そういった物件を即現金買いできるような購買力のある大手企業に属する集団、すなわち、強靱な精神力と購買力を併せ持つ仕入れ担当者たちが地域の不動産屋をしらみつぶしに訪問し、磁石のように好条件の物件を吸い取っていくので、資金力も知識もネットワークも持たない丸腰の個人投資家がその中に割って入る余地などゼロに近いのが現実だ。

 すなわち、キャピタルゲインを狙う投資というのは、そもそも論として成り立たないのである。

「キャピタルゲイン狙いの不動産投資」は誤り

 では、もう一方のインカムゲイン投資はどうか。多くの人は家賃収入という不労所得に憧れて不動産投資に手を出す。まさにインカムゲインこそが不動産投資の真骨頂だと思われているようだが、これについても私は否定的だ。

 インカムゲイン、すなわち「キャッシュフローを得ることを目的とした投資」は、日本の不動産投資においては基本的に誤った発想だと考えている。

 というのも、「キャッシュフローを作るための要素」は、2つしかないからだ。

 ひとつは「利回りを高くすること」だ。物件価格が安いか、あるいは取れる家賃が高ければ利回りは高くなる。利回りが10%とか15%など、利回りが高ければ高いほど、当然キャッシュフローは出やすくなる。

 しかし、現実の利回りの高さは、不人気やそれによる価格の安さから来ていることを忘れてはいけない。

 たとえば東京の目黒区と富山県という対照的なエリアを考えてみればいい。

 もし、両者とも同じ5%の利回りを取れるとすれば、誰もが東京の目黒区を選ぶだろう。当たり前だ。目黒区のほうが、圧倒的に値下がりリスク、すなわち、元本毀損リスクが低いからである。 

 地方の物件は、基本的には利回りを高く設定しなければ売れない。5%の利回りでは誰も買わないから10%とか15%という高利回りがついているわけだ。

正しい不動産投資のセオリーとは

 そして、キャッシュフローを得るもうひとつの方法が、「現金で物件を買う」という方法だ。

 現金で買えば家賃収入からローンを返済する必要がなくなるし、金利を払う必要もないので、家賃収入をまるまる手にできることになる。家賃収入からローンの返済額を差し引いたら赤字になる、という事態も現金で購入すれば起こらないだろう。

 だが、これも私は間違いだと思っている。

 たとえば5000万円の現金を持っている人が、それで不動産を現金購入すれば、たしかにキャッシュフローは最大化する。しかし、それは通帳にあった流動性の高い金融資産が、不動産という流動性の低い資産に姿を変えただけである。総資産としては何も増えていない。5000万円の現金が5000万円の不動産になった、それだけである。

 一方で、私が正しいと考える方法はこうだ。5000万円を手元資金としてキープしながら、金融機関にそれを見せることで融資を受け、値下がりしにくい5000万円の不動産を購入する。すなわち、購入した金額と同額程度で必ず売却できる元本毀損しない不動産を金融機関の融資を活用することで購入する。

 すると、手元資金の5000万円はそのままに、不動産資産5000万円が資産に加わることになり、総資産は1億円になるのだ。その代わり5000万円の借り入れ、すなわち負債が生まれるが、買った物件は、元本毀損しない物件を買っているので、そもそも5000万円の価値があり、純資産は変わらない。

 そして家賃収入を返済原資として活用し、20年かけてその借金を返済していくと、最終的には不動産資産はそのままで、借り入れがゼロになり、総資産1億円、純資産も1億円という状態が完成する。これこそが資産形成なのである。

 要するに、キャピタルゲイン狙いの投資は非現実的であり、インカムゲイン目的の投資も理にかなっていない。やるべきことは、「価格が下がらず将来同じ金額で売れる物件、すなわち、元本毀損しない物件を、人のお金で買う。そして賃料、すなわち、人のお金で返済し、時間をかけて自分のものにすること」だ。これが、私が考える正しい不動産投資であり、「資産形成のセオリー」だ。

小林大祐著『2035年 増える富・消える富の見分け方 インフレ地獄を生き抜く資産戦略』(KADOKAWA)

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この記事の著者
小林大祐

1976年生まれ。ホームコンサルティングソリューションズ株式会社代表取締役。大学卒業後、情報通信系企業に就職。関連会社解散後に親会社である富士ゼロックスに転籍。企業戦士となるが、「株式会社は株主のために存在すること」に気づき27歳の時に「兼業」で創業。「金なしコネなし知識なし」の全くのゼロから「総資産37億円」を築く。YouTubeチャンネル「不動産アニキの非常識な投資学」は登録者数10万人を超え、不動産投資を中心に、資産形成の実践的な考え方や国際情勢に対する独自の視点が注目を集めている。

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