「売買ゼロでも配当100万円増」年間配当1000万円目前の投資家が握る“地味な優良株”
本稿で紹介している個別銘柄:トヨタ自動車(7203)、任天堂(7974)、大成建設(1801)、大林組(1802)、鹿島建設(1812)
地政学リスクや円安、物価高が続く2026年夏。高市早苗内閣の成長戦略を受け、株式市場ではAIや半導体をはじめとする国策テーマ株に注目が集まっている。
「今買わなければ、上昇相場に乗り遅れてしまうのではないか」ーーそんな焦りから、高値圏の人気銘柄に飛びつく個人投資家も少なくない。
しかし、配当・優待株投資のエキスパートであるペリカン氏はこう語る。
「今年に入って一度も売買していません。それでも、配当は100万円以上増えました」
保有企業の相次ぐ増配によって、2026年の年間配当金は1000万円に達する見込みだという。なぜ、売買をせずに配当を増やせたのか。今回は、目先の相場に振り回されず、資産を着実に育てるペリカン氏の投資戦略を伺った。
みんかぶプレミアム特集「激動相場 この夏の狙い目」第3回。
目次
国策テーマは、ブームが落ち着いてから拾え
ーー成長戦略で市場は活況です。初動で乗らないと乗り遅れると焦りませんか。
焦って飛び乗ると、だいたいは火傷をして終わります。新しい政策や国策テーマが発表されて市場が熱狂している時、そこは機関投資家たちが激しい殴り合いを演じている主戦場です。
資金力も情報スピードも劣る私たち個人投資家が、わざわざその最前線に首を突っ込む理由はありません。
初心者はどうしても、連日ニュースを賑わせている半導体やAIといった銘柄が光り輝いて見えるものです。
私もITバブルの頃に話題の銘柄を触って痛い目を見た経験があります。一時的に儲かる夢を見られますが、結局は長続きしませんからね。
お祭り騒ぎの最中はぐっと堪えて静観する。そしてブームが冷め、株価が本来の価値まで落ちてきた時に機械的に拾う。大きなクジラ(機関投資家)が動いた後の余波で利益をいただく「コバンザメ」のような立ち回りこそが、もっとも安全に資産を増やす道だと考えています。
インフレで伸びる企業、沈む企業の差
ーーインフレと円安が定着する今の日本で、生き残る企業の条件は何でしょうか。
日本企業の中で、明確な二極化が進んでいます。160円台の円安が定着する中、海外から物を仕入れる輸入企業は相当厳しい状況に追い込まれています。
一方で、トヨタ自動車(7203)や任天堂(7974)のように、外貨をしっかり稼げる世界トップクラスの企業は、相対的に強さを発揮しやすいです。
派手な半導体株の裏で私が注目しているのは、着実に利益を伸ばしている「価格転嫁できる地味な内需株」や「インフラ企業」です。
わかりやすい例がゼネコンです。例えば、大成建設(1801)や大林組(1802)、鹿島建設(1812)といった企業です。資材価格の高騰や人手不足が問題視されてきましたが、最近は立場が変わりつつあります。
「この価格で合わないなら工事は受けません」と強気な価格交渉ができ、それがしっかり通るようになってきました。
インフレを自社の販売価格に転嫁し、利益を確保できるインフラ企業は、これから本格的に業績を伸ばしてくるはずです。