1本8000円の薄利多売ライターから、1本5万円の高単価ライターへ。どうやって単価を引き上げたのか。1日4時間労働で月収50万円の高単価ライターが語る高付加価値ライティング術
「好きな場所で、好きな時間に働く」――そんな理想のフリーランス生活を手に入れたいしかわゆき氏だが、独立当初から順風満帆だったわけではない。会社員時代の収入を下回らないよう、まずは月収30万円を目標に独立したものの、そこには「労働集約型」の落とし穴が待っていた。
本稿では、いかにして安請け合いのループから抜け出し、現在の「1記事5万〜10万円」という高単価を獲得するに至ったのか、その泥臭くもしたたかな戦略を同氏が徹底解説。さらに、1記事の執筆を約3時間で終わらせるという驚異的なスピードを生み出す「最新AIツール」の活用術まで余すところなく語っていただいた。短期連載全3回の第2回。
みんかぶプレミアム連載「在宅副業、在宅ワークで稼ぐ術」
目次
1本8000円の記事から、1本5万円の記事単価へ。どうやって単価を引き上げたのか
独立当初は、どうしても薄利多売のようなビジネスモデルになりがちでした。イベントレポートが1本8000円、取材記事が1万円から1万5000円といった単価の仕事を、月に15本から20本くらいこなして、やっと目標の月収30万円に届くという状態です。しかし、これでは時間を切り売りするような働き方になってしまい、いつか限界が来ると感じました。そこから「単価を上げる」ための戦略的な取り組みを始めたのです。
実績がないうちは単価交渉も難しいですが、ある程度本数をこなし、実績が貯まってきたタイミングで、取引先に対して直に交渉を行いました。「ありがたいことに他からの依頼も増えてきており、今の単価感で受け続けることが難しくなってきました。これくらいの金額に調整できないでしょうか」と率直に相談したのです。また、新規のクライアントに対しても「私はこの金額で受けています」と、自分自身で値付けの基準を変えていきました。現在は、1本5万円以下の執筆仕事は極力受けないようにしており、だいたい5万円から10万円のあいだでお仕事をお受けしています。
記事単価を上げるための「ジャンル選定」と「イメージ形成」
単価を上げる上で、もう一つ重要だったのが「書くジャンル」の選定です。イベントレポートやお出かけ記事といったジャンルは、人気があり誰でも書きやすいため、必然的にライターの数も多くなり、単価が低くなりがちです。一方で、私が狙ったのはBtoB(企業向け)の事例記事などでした。この領域は専門性が求められ、難易度も高いため、書けるライターがあまりいません。あえてこうした参入障壁の高そうな領域を狙うことで、結果的に単価を引き上げることができました。
また、単純な執筆実績だけでなく、自分に「箔をつける」ためのパブリックイメージの形成も意識しました。私は独立前から「note」で年間100本ほど記事を書いており、「読まれる文章の書き方」や「読書感想文の書き方」などを発信していたところ、それが出版社の方の目にとまり、書籍の出版につながりました。こうした継続的な発信を通じて、「この人はたくさん仕事をしている売れっ子ライターだ」という印象を世の中に持ってもらうことで、自身の価値を高めていったのです。
現在、noteそのもので大きく稼ごうとは考えておらず、あくまでクライアントワークにつなげるための「販促ツール」「認知獲得の場」として位置づけています。書籍についても、書き終えた段階で最初に50万〜60万円ほどの執筆費が入り、重版がかかるたびに印税が入ってくるため、書いたものが「資産」になる感覚があります。