「ニュースは追わない。相場を見るのは1日30分」著名トレーダーが守り続ける“現金の黄金ルール”
本稿で紹介している個別銘柄:キオクシアホールディングス(285A)、フジクラ(5803)、古河電気工業(5801)、JX金属(5016)、村田製作所(6981)、トヨタ自動車(7203)、任天堂(7974)
SNSには、株価予想やおすすめ銘柄、派手な「爆益報告」があふれている。
しかし、情報が増えたからといって、株式投資で利益を出しやすくなったわけではない。むしろ他人の意見に振り回され、高値をつかんで損してしまう人もいる。
「情報は、集めればよいわけではありません。大切なのは、何を見るかより、何を見ないかです」ーーそう語るのは、投資家・トレーダーの窪田剛氏だ。
窪田氏が日々の銘柄選びに使う時間は、わずか30分。確認するのは「売買代金」「ランキング」「チャートの節目」という3つの事実だけだという。
なぜ、ニュースやチャートを一日中追う必要はないのか。情報過多の相場を生き残るための「捨てる情報収集術」と、暴落時にも動ける資金管理について伺った。インタビュー連載全2回の最終回。
目次
SNSの「爆益報告」は、百害あって一利なし
ーーSNSには投資のヒントがあふれているように見えます。個人投資家も有益な情報を上手く拾えば、勝率は上がるのではないでしょうか。
結論からお伝えしますと、私はSNSの書き込みやネット上の買い煽りを、投資判断の材料にはしません。むしろ、できるだけ遮断したほうがよいと考えています。
行動経済学に「確証バイアス」と呼ばれる心理現象があります。
人間は自分の都合のよい情報ばかりを集める生き物なので、SNSのアルゴリズムによってあっという間に「この株は絶対上がる」と思い込まされてしまいます。
特定の銘柄がSNSで大きく話題になる頃には、早い段階から仕込んでいた投資家が、利益確定を考え始めていることもあります。
そこへ一般の投資家が「今からでも間に合う」と飛び乗ると、高値をつかまされる可能性があるんです。
また、ネット上の意見には、基本的に発信者のポジショントークが含まれています。
他人の予測や利益報告を信じて行動しても、資産を増やすうえで有益な判断材料になるとは限りません。まずは「誰かの主観的な意見にすぎない」と認識し、見ない情報を明確に決めることが大切です。
銘柄探しは「1日30分」
ーーとはいえ、企業の業績やニュースを読み込んで分析することは、株式投資の基本にして王道ではないでしょうか。
もちろん、ニュースを確認する作業を否定するわけではありません。ただ、発表された情報の背景を自分なりに深読みして、「業績がよいから株価は上がるはずだ」と予測することに時間を割く必要はないと考えています。
私が、毎日銘柄を探すために使っている時間は30分程度です。
そこで何を確認しているかといえば、「売買代金」「値上がり・値下がりランキング」「チャートの節目」の3つだけです。
例えば、あるニュースが出て株価が大きく動いたとします。重要なのはニュースの中身そのものではなく、結果として「売買代金を伴って上昇しているか」「直近のボックス圏や高値など、重要な節目を更新したか」を確認することです。
2026年4月には、キオクシアホールディングス(285A)の月間売買代金が23.07兆円規模に膨らみ、株価も1カ月で約96.8%上昇する大きな動きがありました。
各種ランキングを毎日見ていると、「今、どこに資金が集まり、どこから逃げているのか」が見えてきます。
ニュースを読んで将来を当てようとするのではなく、ニュースが出た結果、実際に市場のお金がどう動いたのかを見る。相場の事実を淡々と確認する習慣があれば、余計な情報に振り回されにくくなります。