25年で3倍、新宿区は7人に1人が外国人……東京の在留外国人はここまで増えた
日本に住む外国人が増えている。不動産事業プロデューサーの牧野知弘氏によれば、その数は、2025年12月末で400万人を超えるという。中でも外国人が多く居住するのが、東京だ。そこで本記事では、東京のどこに外国人が住んでいるのかについて、牧野氏が丁寧に紐解く。全3回中の1回目。
※本稿は牧野知弘著『「外国人不動産」問題』(祥伝社新書)から抜粋、再構成したものです。
目次
東京都の20人に1人が外国人
私たち日本人は一口に「外国人」と称してしまいますが、在留外国人にもいろいろな顔があります。日本に在留している外国人はどこの国の人が多いのか、もっとも数多くの外国人が暮らす東京都を例に分析してみましょう。
東京都の発表によると、2025年1月1日現在で在留する外国人は72万1223人、これは都の人口の約5.1%に相当します。これを都区部にフォーカスすると、その数は60万5506人。都に在留する外国人の84%は都区部に住んでいて、都区部人口の6.1%が外国人であることがわかります。
都区部に在留する60万人の外国人を国籍別で見てみましょう。圧倒的トップが中国で24万5000人。都に在留する外国人のうちの4割が中国人です。続いて韓国7万6000人。ここまでは多くの日本人の感覚と大きなズレはないでしょう。近隣国からの移住は理解しやすいのと、両国の在留者のなかで戦前から日本に住む在日の方(特別永住者)が含まれているからです。
すこし驚くのが、3位のネパール4万1000人です。ネパールの人口は約3000万人にすぎません。以下、ベトナム、フィリピン、ミャンマーと続きます。飲食店やコンビニのレジなどでよく見かける外国人従業員ですよね。
25年で外国人の数は3倍に
このデータを四半世紀前である2000年と比較してみましょう。この年の都内在留外国人数は24万1908人。つまり、25年間で在留外国人数は3倍に膨れ上がりました。興味深いのが国別データです。この頃は韓国が1位で8万2000人。以下、中国7万3000人、フィリピン、アメリカ、イギリスの順となります。
ちなみに上位5カ国で全体の81.4%を占めていましたが、現在(2025年)は70.9%に下がっており、多国籍化が進んでいることがわかります。
ところで、2000年と2025年を比較すると、上位の顔ぶれにかなり違いが出ています。韓国は2000年の首位から2位に後退しているだけでなく、在留数が減少しています。在留外国人数全体が3倍に増加しているなかで、7.4%の減少です。中国が3.3倍と増加しているのと比べても対照的です。
2000年の東京都データでは上位10カ国のデータしか確認されませんので、2001年との比較になりますが、大きく増加したのがネパール(29.7倍)、ベトナム(28.2倍)です。ミャンマー(6.9倍)、インド(4.9倍)なども、その数を伸長させています。
2000年に4位だったアメリカや、5位だったイギリスはどうでしょうか。アメリカは増加しているものの伸び率は24.0%、イギリスに至っては2025年で7119人と、伸び率はわずか10%にとどまっています。
要約すると、この四半世紀で在留外国人の顔ぶれは中国、韓国をベースとして、ネパール、ベトナム、ミャンマーといったアジアの国々が急速にその数を伸ばしており、欧米系はあまり増加していない、ということです。また韓国は在留数が減少しており、中国は在留外国人の約4割を占める一大勢力になっていると言うことができます。
新宿区は「成人の半分が外国人」?
では、彼ら在留外国人は都内のどこに居住しているのでしょうか。都区部を対象に、2000年と比較しながら探ってみましょう。多くの人のイメージ通りかもしれませんが、外国人が多く暮らすのは新宿区、足立区、江戸川区です。
何と新宿区は全人口の13.5%、7人に1人が外国人ということになります。区の成人になる人のうち約半数が外国人だという報道がなされていますが、新宿区のデータ(2025年)によれば、区内の在留外国人のうち、15歳から19歳の人口は3840人で、同年齢帯の全人口の30.2%、20歳から24歳では1万174人で36.8%を占めています。あながち大げさな表現ではないことがわかります。
いっぽうで、全人口に対する外国人割合が少ない区としては、世田谷区、練馬区、杉並区といった、山の手にあって昔からの閑静な住宅地の名が挙がります。
特徴的なのが、2000年では多くの外国人が居住していた港区がベスト5から姿を消したことです。代わって登場したのが江東区です。港区も数自体は増加しているものの25年間での増加率は1.57倍と、全体の増加率(都区部)2.52倍を大きく下回っています。
いかにも外国人居住者が多いといったイメージが強い港区ですが、実際にはあまり増加していないのです。欧米系の外国人が多いために、全体の増加にはアジア系が占める割合が多いことが全体順位を下げた大きな原因と考えられます。
タワマン建設で中央区に外国人が増加
次に、都区部で25年間に外国人数が増加した割合の高い区をランキングにしてみました。居住者数でベスト5入りした江東区は4.25倍の伸び。そして驚かされるのは、中央区が7.73倍もの高い増加率を示していることです。
中央区は2000年には在留外国人数はわずか1673人だったものが、2025年には1万2553人に膨れ上がっています。勝どき、月島、晴海などで多数建設されるタワーマンション(タワマン)に多くの外国人居住者の姿が目につくようになりましたが、1990年代後半以降に建設されたタワマンなどが彼らの受け皿となっているようです。
この他、葛飾区、江戸川区、板橋区など、城北・城東エリアで多くの外国人が居住しています。
では、各区で増えている外国人在留者に国別の特徴はあるのでしょうか。
急増した中央区を見ると、中国人が全体の53%を占め、韓国人(15%)と合わせると68%、何と7割近くがこの2つの国で占められています。
外国人がもっとも多い新宿区も中国人(39%)の他、韓国人(19%)も目立ち、これにネパール人(9%)が続きます。池袋がある豊島区になると、中国人の割合(45%)が新宿区よりも高くなっています。
新宿、池袋と並ぶ一大ターミナル渋谷駅を擁する渋谷区になると中国、韓国に次いでアメリカ(11%)が登場します。駅後背地に多くの高級住宅地を抱える渋谷区は、世田谷区(8%)と共に、アメリカ人のお気に入りのエリアとなっているようです。
なおアメリカ人などのいわゆる欧米人は、企業の東京支社・支店勤務で赴任し、ファミリーで暮らすことが多いため、インターナショナルスクールに子供を通わせることになります。
そのため、インターナショナルスクールのある渋谷区や港区、世田谷区などに需要が集中する傾向があります。
江戸川区に目を移すと、インド人の割合が多いことが注目されます。中国人(36%)に次ぐ16%を占め、ベトナム人(9%)と合わせると25%を占めています。この他、大田区ではネパール人の割合が13%と高く、文京区では中国人の割合が55%を占めていることも特徴的です。
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