キオクシアはいつ「底」なのか・・・投資歴20年超の助言者が狙う「買い時」
キオクシアに群がる投資家たちが作った「イナゴタワー」は、あっという間に崩れました。
投資歴20年超、投資助言者として日々投資家にアドバイスを届ける投資助言者【馬】さんは、キオクシアの値動きをどう分析していたのでしょうか。
そして、米国で中間選挙を控える中、秋からの値動きはどうなるのか、膨大なデータをもとに解説してもらいます。インタビュー全2回の最終回。
壊れたのは業績ではなく、需給?
ーー日経平均株価が一時急落する局面がありました。こちらをどう分析していますか。
「業績が壊れたのではなく、需給が壊れた」という見方をしています。未曾有の規模のAI・半導体投資だったがゆえに、山高ければ谷深しを地で行っているという市場関係者の評は的確だと思います。
特に個人の需給が悪いんです。6月の後半に個人の買い越し額が統計開始以来でも屈指の規模まで膨らんで、その直後から相場が崩れました。高値圏で個人が最大量を抱え込んだ形ですから、この解消には時間がかかります。典型的なポジションの偏りと言えるんじゃないでしょうか。
ーーキオクシアの需給の偏りについて、もう少し詳しく聞かせてください。
お隣の韓国でも、若者を中心に日本のキオクシア株に、典型的なイナゴのようにどんどん群がって、レバレッジをかけて買っていました。実態のない押し上げが続いていたので、専業で株のトレードをしている人は、おそらくほとんど買っていないと思います。
あの上がり方を見ていた多くの投資家は「なんだこれは、いつ壊れるんだろう」と感じていたはずで、急落は「ああ、やっぱり来たか。早かったな」などという感想だったはずです。
つまり、信用買いがとことん溜まっていて一気に崩されたということでしょう。韓国の若者を中心に、借金をしてさらにレバレッジをかけて買いまくっていたのが危険シグナルだと、私は早くから警告していました。
ーー以前、キオクシアを「ツルハシ側で底堅い」と挙げていましたが、その後の急落をどう受け止めていますか。
典型的なイナゴタワーが崩壊した例として、投資家の間で語られると思います。すぐに回復すると信じている人が多いほど、回復には時間がかかるかもしれません。韓国のSKハイニックスもそうですが、そもそもメモリという商品は価格変動が激しいので、相場も乱高下が続くと見ています。
ーーあの下落は、AI相場の構造変化なのでしょうか。それとも調整でしょうか。
中国のムーンショットAIが登場したこと、キオクシアの訴訟リスクなど、材料が重なったのは確かです。ただ、だからといってキオクシアが悪い銘柄だとは思いません。利確をした人も多いでしょうし、損切りをした人たちも巻き込みながらの下落で、調整と見て良いかもしれませんね。
ーー以前懸念されていた「大企業同士の競争激化による総崩れ」の入口ではないということでしょうか。
総崩れの定義を「AI投資そのものが減額されること」だとすれば、その流れはまだ来ていません。マイクロソフトなど、予想を上回る決算を出している企業も多いですから、AI需要は生きています。