「円安なら輸出株」はもう遅い? 資産10億円超の投資家があえて仕込む“放置された内需株”
本稿で紹介している個別銘柄:良品計画(7453)、TOKYO BASE(3415)、ジャパンアイウェアホールディングス(5889)
「円安なら輸出株」「金利上昇なら株安」ーーこれまで当たり前のように語られてきた相場のセオリーが、いま通用しなくなりつつある。
歴史的な円安水準と長期金利の上昇が同時進行する2026年秋の日本株市場。では、これから個人投資家は何を見て、どこに資金を向けるべきなのか。
資産10億円超のベテラン投資家・DAIBOUCHOU氏は、「相場は当てにいかない」と語る。注目すべきは、すでに買われた大型輸出株ではなく、円安の恩恵を受ける意外な企業群や、地方経済を牽引する産業だという。
金利上昇局面で狙いたい銘柄の条件から、ニュースを見てすぐ売買する人が陥りやすい罠まで聞いた。
みんかぶプレミアム特集「円安・金利上昇局面の稼ぎ方」第7回。
「金利上昇=株安」を信じる人が見落とすチャンス
ーー金利上昇は株式市場にとってネガティブと言われます。日本株全体がここから厳しくなるのでしょうか。
一般論として、金利が上がればリスクを負わずに債券で利回りが得られるため、株式から資金が流出しやすくなりますよね。その意味では、マイナス要素を含んでいるのは間違いないと思います。
ただ、だからといって日本株全体がただ沈んでいくだけだと考えるのは、少し早計かなという気がしています。
現在の日本は、利上げに加えてインフレが同時に進行している点を忘れてはいけません。物価が継続的に上がっていく環境下では、預金口座に現金をそのまま置いておいても、実質的な購買力が目減りしてしまいます。
投資家側から見れば、ある程度のリスクを取ってでも、株式などの現物資産へお金を避難させなければならない事情が存在しているわけです。
ーー物価上昇下では株式が有利とされますが、金利が上がるマイナス効果とどちらが勝つと考えますか。
これは企業が置かれている財務状況によって、完全に明暗が分かれると思います。
多額の借り入れに依存して事業を拡大してきた企業や、資産から十分な収益を生み出せずレバレッジに頼って稼いできた企業は、利払い負担が一気に重くなるので、非常に厳しい局面を迎えるでしょうね。
逆に、自己資本が厚く無借金に近い企業であれば、支払い金利増加のダメージをほぼ受けません。
ーー金利上昇で不動産やSaaS関連はかなり売られました。こうしたセクターは当面避けるべきでしょうか。
不動産は金利上昇で確かにコストが増えますが、それ以上に利益を確保できれば問題になりません。株価が下落してPERが6倍から8倍程度まで低下し、割安感が出ている銘柄もあります。
SaaSについても、AIの普及で需要が減るのではと懸念されて売られましたが、実際にはそうでもないとの認識が広がりつつあります。市場の悲観論がすでに株価へ織り込まれている分野には、過度な心配は不要だと見ています。