マンション価格はいつ下がる? 東京23区「1億3000万円超」の異常事態、専門家が読む「利上げ後の相場」
日本銀行の「ゼロ金利政策」「マイナス金利政策」が長らく進められていたが、2024年から本格的に政策金利の引き上げが行われるようになった。今後も利上げ傾向が高まると、2013年からおよそ13年間、右肩上がりを続けてきた東京圏のマンション価格にはどのような変化が起きるのだろうか。住宅ジャーナリストの榊淳司氏に詳しく聞いた。全4回の第1回。(聞き手・望月悠木)
みんかぶプレミアム連載「マンション・住まいで稼ぐーーシン富裕層への黄金ルート」
発端は2013年の「異次元緩和」
――そもそも、東京圏のマンション価格はなぜこれほど上がり続けてきたのでしょうか。
いろいろな要因が考えられます。何と言っても2013年に日銀総裁に就任した黒田東彦氏が打ち出した「異次元金融緩和」の影響です。低金利政策が長期間続いたことで 、住宅ローンを組んで不動産を買いやすい環境が続きました。また、建築コストの上昇も挙げられます。人手不足に伴う人件費や資材価格の高騰により、この10年で建築コストは体感で2倍前後まで上がっています。
――利上げがマンション市場に与えている影響を現状どう見ていますか。
じわっと出てきている印象です。価格上昇と金利上昇の影響により、昨年あたりから新築マンションの販売は全体的に鈍っていましたが、ここにきて顕著になった印象です。6月の販売実績ではさらにそれがはっきりしており、中古マンションにも動きの鈍化が見られます。おそらく本番はこれからで、9月の金融政策決定会合で0.5%の利上げが決まったり、「来月さらに上げますよ」というニュアンスを日銀が出したりなどすると、市場に一気に影響が及ぶ可能性があります。
「庶民の上限」を超えてしまった価格
――住宅購入は一般の人にはもう手が届かない水準になっていますか。
そうですね。都心エリアは1億円、都心中核エリアだと1億5000万円ほどです。世帯年収1300万円程度のいわば「庶民のアッパー層」でも、出せてせいぜい1億円が限界です。中古も都心は同水準まで上昇しており、新築・中古ともに都心では庶民には手が出ません。
実際、「不動産経済研究所」の調査では、2025年の東京23区における新築分譲マンションの平均価格はついに1億3000万円を超えました。夫婦共働きで世帯年収1200万円あっても、目安とされる「年収の7倍」で計算すれば8400万円ほどが上限です。平均的な新築マンションにはとても届きません。買いたい人はどんどん郊外へ流れていますが、多摩地区をはじめとした郊外でも値上がりしており、以前より買いにくくなっています。